『痛快!ビッグダディ』(テレビ朝日系)の視聴率は20%近くを叩きだす。いま、最も数字を持っている男、といえばビッグダディこと林下清志さん(48)だ。著書『ビッグダディの流儀』の販売部数も10万部を超えた。プロインタビュアー・吉田豪氏を相手に明かした「哲学」とは。
──『夏の魔物』という青森の夏フェス(9月14日開催)にビッグダディの参加が発表されて、いますごい話題になってますね!
林下:いまオファーを引き受ける基準って、面白いか面白くないかだけなんですよ。この前、ダービーの予想の依頼も来たんですけど、競馬なんか1回もやったことがない。だけどそれが「林下さんほどの命中率を誇る方に予想してほしい」ってメールだったんで(笑)。
──それなら、面白そうだからやってみよう、と。
林下:そこが基準ですね。特に何かに迷ったときは、どっちが面白いんだろうって考えて。嫁が出て行くって言ったときに止めようか、「じゃあ」って言おうかと考えて、そのときに「じゃあ」って言ったほうが面白いと思ったら、そうするし。
──それ基準で生きていると、何度も再婚ぐらいするだろうなと思いますね(笑)。
林下:でも、一番後悔が少ないんですよ。考えて考えて失敗すると後悔もすごい大きいですけど、考えてなければ、ああやっぱりなと思って、別に後悔もないじゃないですか。気楽ですよ。
──面白かったからいいや、みたいな感じですか?
林下:そうそうそう。それで4回離婚してますからね。
──計算してたら絶対できないじゃないですか。
林下:そうですね。あしたの朝飯ぐらいまでしか考えてないんで。10年先のことを考えるとか、ホントに意味を感じないんですよね。10年先のことを考えて、不安って言う人の精神構造が不安ですよ。
──収入云々を考えたら、子供はなかなかつくれないっていう人が世の中には多いわけですけど。
林下:それはわかりやすい理由を持ち出してるだけで、誰かと深く関わることについて、ちょっと引いてものを考えるようになってるだけだと思いますね。そんなの、産んだらまず捨てませんよ。3人で食ってたヤツが4人になったら食わせられないかって、そんなもの3人で食ってたのを4つに分ければいいだけのことで。もうひとり子供がいたら苦しいって、クラウンに乗ってるヤツはミニカ(軽自動車)にすればいいだけ。
──やってみれば意外となんとかなるってことですね。
林下:なんとかなると思いますよ。これもありがたい人生で、ホントになんとかなってきてるんですね。でも、去年の暮れに借金があると発覚してビックリして。90万円ぐらいだったんですけど、それはしんどいと思って、知り合いの出版社の方と話したら「本を出しましょう」って話になって。
──本を出したのはそういうことだったんですか!
林下:そうですよ。もともと「本を出すときはあんたのところから」っていう口約束を何年も前にしてたんで。それで、そろそろ書き上がるころになって、じつは借金が300万円ぐらいあったというか、膨らんでいたことがわかって。
※週刊ポスト2013年6月14日号