6月1日、日本テレビの報道番組『NEWS ZERO』のキャスター、山岸舞彩アナ(26)にセクハラ行為をした疑いで、同番組のプロデューサー・Y氏が更迭された。
Y氏は、山岸アナに「2人だけで反省会をしよう」と迫り、断わられると今度は徹底的に彼女を無視するというパワハラまがいの態度をとった。 日本テレビ関係者がいう。
「悩みに悩んだ山岸アナが周囲に相談したことで事態が発覚した。Y氏は、歴代女性キャスターや女性スタッフにも“2人だけの反省会”を持ちかけていたらしい。情報カルチャー班を統括しながら、報道も音楽関係も手がける“ヤリ手”として有名だったんですが……。女性に関しては粘着質なところがあった」
Y氏の風貌はおよそ「セクハラ」というイメージとはかけ離れたものだった。 桑名正博を彷彿とさせるミュージシャン風のゆるいパーマをあて、光沢のあるスーツに、先のとがった革靴でキメている。社内でも肩で風を切るように歩いていたという。
「一度会っただけの人でも“○○ちゃ~ん”と友達扱い。中身はいわゆる古いタイプのギョーカイ人ですよ。これもギョーカイ人によくある話ですが、上司や大手プロダクション幹部には平身低頭でも、自分より立場の弱い者にはとにかく高圧的。“オレ、福山(雅治)と友達だから”という決めゼリフで女性に迫っていた。だけど、まさか山岸アナほどのビッグネームにもそのノリで詰め寄るとは……。勘違いも甚だしい」(前出・日テレ関係者)
時代は変わった。女性の社会進出が進んでいなかった時代ならまだしも、いまや、どんな企業でも女性スタッフへの接し方や言動は、日本に定着した新しい常識にのっとっている。それは単に女性へのハラスメントという問題にとどまらず、企業の価値・評価を大きく左右するスタンダードである。だから今回の出来事は、テレビ界にはまだこのような「前時代の遺物」ともいうべき悪徳プロデューサーが存在するのかと、驚きをもって受け止められたのである。
※週刊ポスト2013年6月21日号