阪神ファンの高笑いが聞こえてくる。
「ゴールデンルーキー・藤浪晋太郎はもう4勝やで! 他の新人とはモノがちゃうで、モノが」
「エースの能見篤史は5月の月間MVPや。ホンマ頼りになるわ~」
「6月に入って早々に首位や! もう読売なんて相手にならへんで~」
関西はもう優勝したかのようなムードだ。6月3日早朝のニュース番組(読売テレビ)にはサンバダンサーが生出演。阪神の首位を祝って、朝5時すぎからド派手な踊りを披露した。
まァこの翌日には0-12で大敗し、1日にして首位陥落するというオチがついたのだが、自信満々の虎ファンはその程度では動じない。実は今年は優勝を裏付ける数々のジンクスがあるのだ。
【株価が上がると優勝や!】
過去、阪神が優勝した年には日経平均株価が上昇しているという共通点がある。
初Vの1962年、2度目の1964年は、高度経済成長の初期段階。それから21年ぶり3度目に優勝した1985年は、プラザ合意で円高が進みバブル景気となった。2003年と2005年の優勝は、小泉改革による規制緩和でミニバブルが起きた。そして今年、アベノミクスで株価が上がり続けたのはご存じの通りである。
【監督の「2年目のジンクス」や!】
1962年の藤本定義監督は、代理監督から数えて就任2年目に優勝。2003年の星野仙一監督、2005年の岡田彰布監督も就任2年目だった。現在の和田豊監督も、今年が2年目である。
【「15点以上失点」は縁起がええで!】
4月23日の中日戦では3-15で大敗したが、阪神が15点以上失点して負けたのは、2005年5月20日のソフトバンク戦(7-16)以来。その前は2003年7月26日の中日戦(3-15)。このいずれの年もリーグ制覇を果たしている。
【「代打の神様」で優勝じゃい!】
1985年の“浪速の春団治”こと川藤幸三の「ここ一発」での一打は記憶に新しいし、2003、2005年は“代打の神様”八木裕が勝負強い打撃を見せた。今はベテラン・桧山進次郎。最近は7打数4安打の代打成績である。
「桧山は“ラッキーを信じない”というポリシーの持ち主で、生まれてこの方宝くじを買ったことがない。代打でもそれは同じで、日頃の研究と努力のみが結果を出すという考え方を持っている。それで結果を出しているから、今の調子は単なるラッキーではない、本物ですよ」(阪神番記者)
【廣田神社の“御利益”もあるで!】
阪神は開幕前、兵庫県西宮市にある「廣田神社」で必勝祈願を行なうが、この神社で何か大きな出来事があった節目には阪神が優勝するというジンクスがある。
1963年に神社復興→翌1964年に優勝。1984年に火事から復興→翌1985年に優勝。 そして今回は昨年12月に大鳥居が建立、今年3月に竣工した。これは今年、本当に優勝かも?
※週刊ポスト2013年6月21日号