スポーツ

全柔連 13年前にも3200万円不正受給で地検の取り調べ受けた

 女子監督による選手へのパワハラ問題や、現職理事によるセクハラ事件など、スキャンダルが相次ぐ全日本柔道連盟。なかでも、日本スポーツ振興センター(JSC)からの助成金を指導実態のない「指導者」が不正受給していた問題は、現在も第三者委員会の調査が続けられている。

 6月11日に予定される理事会では、上村春樹・会長の進退に注目が集まるが、本人はいまだ明言を避けている。しかし、全柔連関係者によれば、実は上村体制にはひた隠しにされていたもう一つの問題があるという。

「今回問題になった助成金の一部は、全柔連の強化委員会にプールされていましたが、実は全柔連は10年以上前にも、似たようなスキームで不正受給を行なっていた。シドニー五輪があった2000年、JSCとJOC(日本オリンピック委員会)からの助成金や国庫補助金を不正受給したとして、全柔連は会計検査院からの取り調べを受けたんです。

 その手口は、助成金のうち実際に使った金額よりも過大に上乗せしてJOCに報告し、上乗せ分をプールしていたということです。本当は使っていない強化合宿の滞在費や旅費を選手に支払ったことにしたり、同じ領収書のコピーを使いまわして二重に請求したりしていた。現在の上村会長は、問題が発覚した際に強化副委員長を務めており、責任の一端を担う立場にあったんです」

 だが当時は、全柔連のほかにもJOC傘下の計11団体で不正受給が発覚したため、公的には、特定の組織ではなく助成金の仕組みの問題として処理されただけだった。確かに当時の報道を見ると、「柔道など11団体、補助金を目的外使用」(読売2000年10月8日付)などとある程度だ。しかし前出関係者は、この問題こそ現在の不正受給問題の原点だという。

「実際には、発覚した不正受給のうち3分の1を占める3200万円が全柔連によるもので突出していた。JSCとJOCに3200万円を全額返還した後には、全柔連の職員が東京地検の取り調べを受けたほどです。にもかかわらず、上村体制の全柔連は、ほとぼりが冷めたあと、別のスキームで不正受給を復活させた。それが今回の問題の本質なんです」

 このことについて上村会長に問いただしたところ、全柔連広報委員長より、「事案が昔のことにて詳細不明。上村会長は当時強化副委員長で、本事案を報道で承知しているが、詳細は承知していない。東京地検が捜査に入ったという記憶はない」との回答を得た。

※週刊ポスト2013年6月21日号

関連記事

トピックス

天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン