どうしても気になってしまう他人のニオイと自分のニオイ。その発生源には3種類あるという。いけした女性クリニック銀座 院長の池下育子さんはこう説明する。
「人間は自分の体臭を正確に把握することが難しい生き物です。最近は、自分は臭いと思い込んで、悩んでクリニックを訪れる人が増えました。でも、体臭は誰にでもあるもの」
体臭を消すには、まずその発生源を見極めるのがポイントだと言う。
「体臭には“体表面”“体内”“腸内”の3つの発生源が。“体表面”は汗などにより皮膚上で発生するニオイ、“体内”はストレス臭や加齢臭のように体内から発 せられるニオイ、“腸内”は腸の中で食べ物が腐敗して出るニオイです。体内のニオイが原因の人が、いくら制汗剤などで体表面をケアしても、根本的な消臭は できません。むやみに消臭する前に、客観的に発生源を突き止めましょう」(池下さん)
食の欧米化で体臭がキツくなった面も。
「最近の日本人は肉類を多く食べるようになり、体臭がキツくなりました。動物性たんぱく質や脂肪は、大腸で消化・ 分解に時間がかかるため、腸内で発酵して腐敗臭を放ちます。食物繊維の豊富な野菜を一緒に摂って、消化を早めて」(池下さん)
体臭が気になるからといってゴシゴシ洗いする人がいるがこれはNG。
「体を洗い過ぎると肌を弱酸性に保つ、表皮ブドウ球菌という常在菌が減り、悪性の黄色ブドウ球菌が優勢に。さらに、肌の乾燥を防ぐために余分な皮脂が分泌され、菌がその皮脂を食べて脂肪酸を作り、悪臭を放つという悪循環になってしまいます」(池下さん)
新たな現代病として、ストレス臭が注目されている。「強いストレスを抱えると疲労物質である乳酸が増え、体内環境が酸性に。そのため、汗の中に悪臭物質であるアンモニアが増えて、ニオイの原因に」(池下さん)
※女性セブン2013年6月20日号