ただいま絶好調中の阪神タイガース。野手陣では新井貴浩、マートンの復調が光る。その功労者は、水谷実雄打撃コーチだ。
「最近まで甲子園近くで焼き鳥店をやっていたので、開幕直後の打線の調子が上がらない時は、心ないファンから“焼き鳥屋のオッサン連れてきたん、誰や!”なんてヤジられましたが、5月以降は“神様やァ”と掌返しされている。
過去には広島、近鉄などで前田智徳や金本知憲、中村紀洋らを育てた名伯楽。無理せず逆方向に打つ打撃を徹底させて、マートンや新井を生き返らせました」(スポーツジャーナリスト)
そのお陰か、昨年来のマートンと“ノウミサン”の不和も円満解消(※注)。ベンチ内の雰囲気は、かつてないほど明るくなっている。
「これは西岡剛の功績が大きいですね。チームで“ツヨポン”と呼ばれるムードメーカー。選手たちは誰かが打つ度に、西岡が広めたパフォーマンス(ベンチ前でスタンドを指差す)をやる。ハタから見ていると“もうええっちゅうねん”ってくらいうっとうしいんですが、意外にこれで一体感が生まれています。
先日、新井が打った際には、パフォーマンスをやるぞやるぞと見せかけて全員でガン無視。チーム随一の“いじられキャラ”新井を茶化して、盛り上がっていました。最高のムードですわ」(在阪スポーツ紙記者)
【※注】2012年6月9日のオリックス戦後、試合中の拙守により相手走者の生還を許したことにコメントを求められたマートンが、「(先発投手の)能見が嫌い」というコメントを残したと報じられ、騒動となった。しかし今年4月9日の巨人戦で、マートンと能見がお立ち台に上がった際、マートンが「ノウミサン、アイシテル」と抱きつき、騒動は収束した。
※週刊ポスト2013年6月21日号