元ライブドア社長で今年3月に仮釈放になった堀江貴文氏。現在の政治状況やアベノミクスをどうように見ているのか。堀江氏にインタビューした。
──アベノミクスで明るい雰囲気が出てきた。景気が良くなればリスクばかり考えるのではなく、やりたいことに挑戦する人も増えるのでは?
堀江:でもね、政治がビジネスの世界を変えることなんてないんですよ。もちろん気持ちが明るくなるような政治をすることは意味がありますが、政治が何かやってくれるという気は僕はしない。
──あなたは小泉構造改革のさなかに事業を急拡大させ、自分も自民党から総選挙に出馬して政治を志した。何をやろうとしていたのか。
堀江:政治家になって何かしようと思ったというより、むしろ政治が悪いことをしないようにしたいという気持ちのほうが強かったのかな。例えば僕は選挙で亀井静香さんに負けたわけだけど、その後、あの人がやったことで日本はひどいことになったわけでしょう。郵政なんかさっさと民営化して株も売ってしまえば良かったし、金融行政では借金を返さなくてよい制度を作って、それがまた膨大な不良債権になっている。
僕は政治の役割、政府の役割はどんどん縮小していくべきだと思っています。それをやるのが政治の仕事だと思います。
──政治家にとっても役人にとっても自分の仕事と権限を減らすことになる。それは難しいのではないか。
堀江:僕のような考えの人間が政治家になればできます。
──「政治家が家業」の二世議員では無理だ。
堀江:最悪ですね。
──橋下徹・大阪市長は「家業政治家」ではない。
堀江:いいんじゃないですか。僕が彼に期待するのはそこです。今は慰安婦発言で炎上しているけど、狙ってやっているような感じもありますよね。
※SAPIO2013年7月号