闇夜に包まれ、水を打ったように静まりかえる深夜の住宅街を駆ける1台のタクシーが向かったのは、豪奢なマンションだった。エントランスの前に止まると、ポッと柔らかな室内灯をつけたタクシー。周囲の暗闇と対照的なまばゆい明かりは車内の楽しさを象徴するかのようだった。笑顔で先に車を降りた男性は、車内に残る女性を促すように手を伸ばした。
彼に誘われるように降りてきた黒いロングワンピ姿の女性は、このマンションに住む柴咲コウ(31才)。そして、彼女をエスコートしていた男性はV6の三宅健(33才)だった。ふたりを知る芸能関係者はこう話す。
「柴咲さんと三宅さんは、音楽番組なんかで共演したこともあり、旧知の仲だったんです。ふたりが仲良くなったのは、それこそ今年に入ってからじゃないでしょうか。被災地に支援に行ったり、動物が好きだったりと共通点も多くて意気投合したんでしょうね」
ここ最近変化があったという、三宅が携帯サイトで更新している日記。これまで仕事の話が多かったが、例えば6月2日、そこには自宅への帰り道に見つけたという蛙の話が綴られていた。車に轢かれたのか、今にも死にそうな小さな蛙を見て、三宅は命の大切さを痛感する。そうしてこう願った。
<守るべきものがあることの強さ。守るべきものがないことの強さ。どっちがいいのだろう。自分を必要としてくれている人がいることの幸せをもっと感じたい>
そして、その6日後、柴咲のブログでは、なぜか三宅と同じく“蛙の話”が綴られていた。あくまで夢の話だが、自分の家にやってきた蛙を拒絶するために扉を閉めたら、その扉に蛙の足を挟んでしまった。自分を守るために、相手を傷つけてしまったことを後悔し、そんなことは夢の中だけにしておきたいと結んだ。
ちなみに蛙の夢が象徴するものは「母なるもの」「母性」だと柴咲は書いていたが、三宅が書いていた「守るべきもの」と妙にリンクしている。
冒頭のシーンに戻ると、三宅は柴咲の自宅を訪れてから1時間ほど経った後、ひとり彼女のマンションから出てきた。
その夜の数日後、蛙の夢に続くもうひとつのブログに、柴咲は「多幸感」というタイトルでこんな意味深な心境を綴った。
<箸が転がっただけでも幸せと思える そんな感情にときおり包まれる つくづく、最近生きてるなぁと、つよくつよく思うのです もっともっと感じて生きたい>
※女性セブン2013年6月27日号