日本の原発事故の間隙を突いて原発売り込みに懸命な韓国だが、国内では事故や不祥事が相次ぎ、お寒い現状が明らかになっている。経済評論家の三橋貴明氏が、ぞっとする韓国・原発ビジネスの暴走ぶりを暴く。
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UAE(アラブ首長国連邦)における原発受注は、韓国コンソーシアム(韓国電力、斗山重工業、現代建設、サムスン物産)が4基の原発について、原発建設に運転や燃料供給も含め、総額400億ドルという破格の安値で落札した。
競合していたフランスは700億ドル、日米連合は900億ドルを提示したといわれている。明らかにダンピング受注だ。
韓国はUAEの「無謀な受注」を踏み台に、東南アジアや中東諸国に原発を売り込もうと図っているが、恐らくはダンピングしても無理だろう。何しろ、昨年末頃から国営の原発運営会社である韓国水力原子力発電の不祥事が次々に発覚しているのである。
部品の横流しや模造品製造、さらに廃棄処分予定の部品の錆を落とし、塗装し直したものを「輸入された新品」などと偽り納品するなど日本では考えられない不正が明らかになっている。
内部告発で事態が表面化し、本格的な調査が入った結果、公表されたのは「海外の認証機関から得るべき品質保証書」を偽造し、計7682個もの部品を納入していたという、ぞっとする事実だった。その後の調査でも、1555個の部品が、偽造された国内試験成績書と共に納品されていたことが発覚した。
韓国は2011年9月、大地震に見舞われたわけではないにもかかわらず大停電を起こした。その後の報道で判明したのは、韓国の原発は国産比率が高いほど事故が多発しているという、ある意味で予想された真実だった。
韓国政府が原発の輸出に際し売り込み文句に使っていた「稼働率世界最高、安全な韓国原発」は嘘っぱちだったのである。
韓国の高速鉄道KTXも、国産であればあるほど事故が多い。原発も同じなのだ。結局、韓国の原発ビジネスは表面的な飾り立てには懸命になるものの、中身は例の如く「ケンチャナヨ(大丈夫、転じて細かいことは気にしない)」精神で満ちた虚像だったのだ。
“ケンチャナヨ原発”を好んで買うような物好きは、当の韓国人を含めて世界に存在しないだろう。
※SAPIO2013年7月号