山岸舞彩アナ(26)にセクハラ行為を働いた疑いで、日本テレビ『NEWS ZERO』のプロデューサー・Y氏が更迭されたが、セクハラの刃に最も傷つけられているのが、テレビ局の下請けである制作会社の女性たちだ。
制作会社の中堅女性ADが語る。
「局のプロデューサーが気に入った女性ADは、たとえ仕事があっても制作会社を通して名指しで飲み会に強制参加させられます。お芝居に同伴させられ、そのあとプロデューサーが有名俳優さんたちの飲み会を仕切っている姿を見せつけられた後で、口説かれるのがお決まりのパターン」
自分の力を誇示することで「オレと関係を持つと得だ」とアピールしているのかもしれないが、局プロデューサーの誘いを断わることは、非常に勇気がいるのだという。
「制作会社は、キー局の社員に生殺与奪の権を握られている。つまりプロデューサーに“オレに逆らうヤツには仕事を回さない”といわれたら終わりなんです。小さな制作会社の社員の場合、誰かがキー局の社員とトラブルを起こせば、制作会社全体が局から締め出されかねない。
狭い業界なので、ひとつの局から締め出されれば、別の局でも“右に倣え”で同じことが起こる。自分のためにそんなことになってはたまらない。だからどんな理不尽があろうと耐えるしかないんです」(前出・制作会社の中堅女性AD)
テレビ業界で働く女性たちは「セクハラくらいで騒ぐ女の子はこの業界でやっていけない」と口を揃える。
セクハラする側が、弱い立場の人間を狙い撃ちする──。この構図が変わらない限り、セクハラ問題の温床は消えないのである。
※週刊ポスト2013年6月21日号