6月18日に、「ロッテが、メジャー通算555本塁打を放ち、現在は台湾・義大ライノズでプレーするマニー・ラミレス外野手(41)の獲得に乗り出す可能性が浮上した」と報じられたが、その前の6月11日には、「ロッテがDeNAのアレックス・ラミレス(38)の獲得に乗り出した」と一部スポーツ紙が報じている。ラミレス違いではあるが、その記事によれば、ロッテは(アレックス・ラミレスの)トレード移籍を模索しており、「4番・DH」で起用したい意向があるということだった。
そもそも、日本球界13年目を迎えた今年のラミレスは、開幕を「5番・レフト」で迎え、4月6日のヤクルト戦で日本通算2000本安打を達成し、華々しいスタートを切った。だが、かねてから不安のあったレフトの守備でミスを連発。自慢のバットも下降線を辿り、中畑清監督は4月26日の阪神戦からラミレスをスタメンから外した。
交流戦では、DH制を使えるパ・リーグ主催ゲームでスタメン出場をしているが、守備につかなければならない本拠地では、代打での出番しか巡ってこない。スポーツライターはこう解説する。
「ずっとスタメンの4打席で勝負してきたラミレスは、今の代打という役割に慣れていない。実際、代打での成績は良くありません。
DH制の使える交流戦が終われば、ラミレスがスタメンを張ることはもうないでしょう。現在のDeNAの外野は、金城(龍彦)、多村(仁志)、荒波(翔)、モーガン、松本(啓二朗)などがスタメンを争い、充実しています。守備に不安のあるラミレスをわざわざ起用しなければならない外野陣ではない。
それでいて、投手陣のコマが圧倒的に足りていない。DeNAの欲しい投手をロッテが出せば、トレード成立の可能性は高いでしょう」
その一方で、ラミレスが抜けることの不安もあるという。
「今年、中日から移籍してきたトニー・ブランコがものすごいペースで本塁打を量産しているのも、ラミレスのアドバイスがあったから。昨年まで空振りしていた、外角への落ちるボールに手を出さなくなったんです。先輩であるラミレスが近くにいることで、開幕から調子を落とすことなく、ここまで来ている。
外国人選手にとって、同じ言語を話せるチームメイトはすごく大事。DeNAにはブランコと同い年のモーガンもいますが、日本での断トツの実績があって、先輩であるラミレスは、ブランコにとって唯一無二の存在です」(同前)
2001年、ヤクルト入団後、巨人、DeNAを渡り歩いてきたラミレスだけに、今後の動向から目が放せない。