平均視聴率は19.5%(関東地方、ビデオリサーチ調べ、6月10日まで)をマークし、再放送や録画を含めると視聴率50%を超えるといわれるNHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』。1日何度もドラマを見て、内容を熱く語る “あまラー”も増殖中だ。
6月24日の放送分からは、舞台を岩手県から首都に移し、「東京編」がスタートする。一体どんな内容になるのか、今後の展開をほんの少しだけ紹介する──。
アイドルになるため、大好きな三陸の海と夏ばっぱの元を離れたアキ(能年玲奈・19才)。47都道府県のご当地アイドルを集めたアイドルグループ「GMT(じもと)47」のメンバーとして上京したが、夢見たアイドルの世界は完全実力主義の階級社会であり、厳しい現実が待っていた。さらに父・正宗の“秘密”を知ってしまったことが追い打ちをかける。
心折れそうなアキの前に偶然現れたのは、憧れの女優、鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子・49才)だった。やがてアキは鈴鹿と深い絆で結ばれていく。果たしてアキはアイドルになれるのか?
東京編では新キャラも楽しみ。とくにGMT47の生みの親で秋元康(55才)ソックリのプロデューサー・荒巻太一を演じる古田新太(47才)のコミカルな動きと演技には抱腹絶倒だ。
アキのアイドル物語と並行して東京編では、これまで隠されてきた春子(小泉今日子・47才)の過去が明らかになる。
「これからドラマには東京時代の若き春子が頻繁に出てきます。昔のテレビ番組や音楽など、1980年代の懐かしい映像を見逃さないでほしいですね」(訓覇(くるべ)圭チーフ・プロデューサー)
中でも“あまラー”の関心が高いのが春子と鈴鹿の関係。『あまちゃん』の大ファンだという漫画家の青木俊直さんは、こう予想する。
「春子と鈴鹿には何らかの関係があるはず。ぼくの予想では、春子と鈴鹿は売れないアイドルユニットを組んでいて、解散後に明暗が分かれたのでは。また、1980年代に鈴鹿が主演して大ヒットした映画『潮騒のメモリー』は海女の物語です。この映画で鈴鹿の代役として春子が海に潜ったのかもしれません」
そして物語は終盤であの2011年3月11日に到達する。大好きな三陸の町を襲う津波と、明るく純朴なアキはどうかかわるのか。あまちゃんファンの社会学者・開沼博さんは仙台出身の宮藤の手腕に期待を寄せる。
「これまでのドラマや小説は、震災後の日本人に希望のあり方をいまだ提示できていないように感じます。抽象的にならず、わかりやすく、単純にみんなが幸せになれる未来を宮藤さんなら示せるはずです」
※女性セブン2013年7月4日号