50代以上の70~80%、40代の30%の人が感染しているといわれるピロリ菌。今年2月から内視鏡で“ピロリ菌感染による胃炎”が認められた場合、保険で除菌治療ができるようになった。
胃炎でも保険が使えるようになったことで、胃がんリスクが大幅に低減すると期待されている。
消化器内科医・内視鏡医の刑部優美さんは、ピロリ菌感染性胃炎について、こう解説する。
「ピロリ菌は、人の胃に棲みつく細菌で、5才以前に感染するといわれています。この菌に感染すると、ほぼ100%の確率で胃炎が認められます。“ピロリ菌による胃炎”の場合、胃痛や胃もたれ、むかつきなどの自覚症状が比較的少ない場合が多いのです。
ピロリ菌は胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの原因になるだけでなく、ピロリ菌の感染胃炎状態が続くと胃の粘膜の萎縮が進み、胃がんのリスクが高まります」
刑部さんが院長を務める緒方医院でも、保険が使えるようになった2月以降にピロリ菌の検査や除菌治療を始める人が増えているという。
「腹部の症状がある人はもちろんですが、今までピロリ菌の検査をしたことのない人、あるいは家族に胃がん患者がいる人は、消化器科を受診し相談されることをおすすめします」
※女性セブン2013年7月4日号