キャッチフレーズはなんと「人生一度。不倫をしましょう」──アメリカから度肝を抜くSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)が上陸した。不倫市場の潜在力に目を付けたという起業家が、既婚者向けに不倫相手を見つけるためのネットサービスを開発。
そんな異色SNSが6月24日に、日本でサービスを開始した。そのSNSは、カナダの企業が運営する「アシュレイ・マディソン(以下AM)」。カナダ、アメリカ、イギリス、ドイツ、オーストラリアなど世界27か国で展開中の出会い系サービスで、現在、1900万人以上の男女が会員登録しているという。
それではこの新SNS、具体的にはどんなシステムなのだろうか。まずは、パソコンやスマホでAMのホームページにアクセスし、会員登録を行なう。登録は無料で、ユーザーネーム(本名でなくてもよい)や性別、生年月日などを入力する。
フェイスブックやミクシィなどの他のSNSと違うのは、この会員登録の際に、身長、体重、やせ形か筋肉質かなど体型の情報、郵便番号などを登録する必要があることだ。郵便番号は近くの異性とマッチングする際に使用される。また「既婚者向けSNS」を謳ってはいるものの、独身の人でも登録は可能だ。
会員登録は2~3分ほどで済むぐらいの簡単なもの。これが終われば、希望の女性の検索ができるようになる。好きなタイプの女性を条件別に検索できる機能もあり、「年齢は30歳から35歳」「身長165センチ以上」、体型は「ぽっちゃり気味」など、細かい検索が可能になる。こうして自分の好みに合う女性を検索するところまでは、料金は一切かからない。
検索機能を使用すると、条件に当てはまる女性たちのプロフィールがずらーっと画面上に表示される。全員ではないが、写真を公開している女性も多いため、絞られた候補の中から、さらに容姿で狙いを絞ることも可能だ。
こうして理想のタイプの女性が現われたら、いよいよメッセージを送る段階に入るが、それにはサイト内で使用されるポイント「クレジット」が必要だ。最少額100クレジット4900円から販売される予定(2回目以降は200クレジットから販売)で、メッセージを1通送るのには5クレジットが必要になる。
このポイントを購入する際はすべてクレジットカードによる決済となる。「それじゃあ、カードの明細書で妻にバレるじゃないか」と心配した方。鋭いが、そこは不倫専門のSNS。明細書を見ても、請求者がAMとわからないような仕組みも、きちんと整えられている。
こうして一旦ポイントを購入すれば、メッセージを交換した相手と親しくなれるチャット機能など、更なるサービスが利用できるようになる。中でもユーザーに特に好評だという機能が「トラベリングマン」だ。この機能は、出張、旅行先の情報を入力すると、旅先周辺で相手を求めている女性たちが一斉にリストアップされ、その日のデートの交渉ができるというスグレモノだ。
AM国際部長のレオノーラ・ハイディ氏が語る。
「男性ユーザーの60%以上がビジネスマンなんですが、大半の方は自分の住んでいる街では不倫はしないんです。ただ、よく行く出張先は決まっている場合が多く、そこにセックスフレンドをつくるという人はけっこういます。ニューヨークのビジネスマンに、ロンドンやパリ在住のセックスフレンドがいるということがあり得る。そういう人は、自分の地元じゃなければ浮気している罪悪感がないようですね」
※週刊ポスト2013年7月5日号