「赤坂の印象? ずっとオジサンたちの憧れの街だと思ってたけど、少しずつ変わってきていますよね」
そう話すのは元TBSアナウンサーの小島慶子さん。彼女が赤坂のランドマークともいわれるTBSに入社したのが1995年。フリーになった後も仕事でよく訪れるため、都合18年この街の変化を見続けてきた。
「入社当時はホテルニュージャパン跡の空き地も残っていました」
その後、2000年代に入り、外資系企業の移転先となり赤坂サカスができ……と、街は再開発されていく。
「とはいえ、いまも相変わらず街の雑居ビルには歌謡曲が聴こえてきそうなスナックが軒を連ねていて、昭和の香りがします。TBSの熟年テレビマンたちの寛ぎの場でもあります(笑い)。赤坂サカス近辺では若い人たちを以前よりも見かける。いまは高齢の方も若者も遊べる街になったのかも」
6月7日にオープンしたビックカメラには、中国や台湾からやってきた観光客があふれ、コリアンタウンを抱える韓国人の街というこれまでのイメージも変わりつつある。一方で億を超える高級マンションが建ち並び、そこに住む外資系のビジネスマンが子連れでランニングをする隣でメイド喫茶のメイドたちがビラを配っている──。
ビジネス街と高級住宅街、コリアンクラブがあれば純和風の料亭も残る街。再開発が進む赤坂は混沌としたいまの時代を象徴する街といえる。
●こじま・けいこ:1972年オーストラリア生まれ。1995年にTBS入社。2010年に退社し、タレント、エッセイストとしてテレビやラジオ出演、執筆活動を行なう。
撮影■江森康之
※週刊ポスト2013年7月5日号