欧米紙のスクープや元CIA職員、エドワード・スノーデン氏の内部告発によって明らかになった米国の情報監視システム(PRISM)。
報道によれば、米国家安全保障局(NSA)は、このシステムを用いて、マイクロソフト、アップル、グーグル、フェイスブックなどIT大手9社から、メールや動画、サイトを見た履歴などの個人情報を密かに収集していたという。
ここまで高度な技術がなくても、SNSやスマホの情報からプライベートが丸見えになる。IT事情に詳しい山田井ユウキ氏がいう。
「気をつけたいのがスマホで撮った写真をフェイスブックやツイッターにアップする行為です。
実際にあった話ですが、あるユーザーが自分の家の窓から景色を撮って、『今日は雪が降っています』といったコメントとともにツイッターにアップした。すると、写真に写っている商店の看板や、“同時刻に雪が降っていた場所”という気象情報から、瞬く間にその人の住所が調べ上げられてしまったんです」
スマホの写真機能は格段に向上し、ちょっとした背景も鮮明に写る。スマホで撮った写真にはGPS情報(位置情報)が付されており、そうした機能をオフにしないで写真を投稿すると、あなたの居場所がバッチリわかってしまう場合もある。
こうした情報がストーカー犯罪につながることも珍しくはない。不倫調査を専門とする探偵に話を聞いた。
「不倫の疑いのある場合、夫がフェイスブックをやっていたらまず見せてもらいます。これである程度の人間関係や行動記録が分かる。男性は脇が甘いですからね。投稿されたごく普通の写真でも、拡大表示すると『そばに誰かいる』『隣の人が肩に手をまわしている』といったことは分析できます」
大阪のある探偵事務所が手掛けた事件にはこんな事例があった。
他人との付き合いを面倒がる夫なのにフェイスブックにはご熱心。怪しんだ妻は夫のフェイスブックにログイン。パスワードは誕生日だった。そこには同僚との間で交わされていた「愛している」「離婚して一緒になろう」といった言葉が並び、ツーショットまで出てきたという。
探偵事務所ではアップされていた写真を解析ソフトにかけ、撮影場所を特定。メール記録とともに離婚訴訟の証拠として家庭裁判所に提出したのだ。
覗かれたプライベートから、フェイスブック離婚に至るケースすらあるという。
※週刊ポスト2013年7月5日号