65才で定年とはいっても、そのまま隠居するのはまだ早い。多くの人が第2の人生をスタートさせるわけだが、時にとんでもない夢を語りだしてしまう人も…。神奈川県に住む女性Fさん(58才)の夫(63才)は、定年間近になってまさかの夢をぶちあげたのです。
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ダンナは定年まであと2年。カウントダウンが始まってから毎晩のように夫婦で家飲みしてんの。楽しい? 冗談じゃない。ここにきて会社をやめたいと言い出したのよ。
数年前までは「何があっても定年まで勤めるぞ」と言ってたんだけど、だんだん給料面や人間関係のグチが増えてきて最近では若い社員との折り合いが悪く、しょっちゅうモメてたのよ。あげく先日、切りだしたのが転職の話。
「オレはさ、うちの会社みたいな腐れ若造じゃない、活気のある若者と働きたいんだよ。それで考えたんだけど、会社やめてラーメン屋を始めようかなと」
第3のビール、500ミリリットル飲んで酔って言ってんのかなとダンナの顔を見たら、マジメもマジメ、大マジメ。
「オレ、高2から大学3年までラーメン屋でバイトしてたって話、したよな。大学のとき、店長から社員になってほしいって言われてたし」とドヤ顔までしてんの。いったい何十年前の話をしてるんだか。
「ていうか、そのメタボ腹かかえて、寸胴鍋が洗えるの?」と言ってやりたいところをグッとガマンして「ふんふん」と聞いてやる。そしたらさ。
「オレの場合、この年からラーメン修業を始めても、昔のキャリアがあるから、ほかのヤツラより暖簾わけも早いんじゃないかと思う」
なんて言うのよ。もう、呆れちゃうわよ。
※女性セブン2013年7月11日号