人気アイドルなど芸能人になりすまして、出会い系サイトに誘導し、客から金をだまし取っていた詐欺容疑で、サイト運営会社「ウイングネット」の従業員9人が逮捕された。
東京都新宿区にある雑居ビルのワンフロアに、その「ウイングネット」の事務所はあった。オフィスの内部は、ありふれたビルの外見からは予想できない。およそ300平方メートルの室内には、50台のパソコンがズラリと並び、170人の人間が、昼夜交代で働いていた。
何をしていたかというと、サイト利用者とのメールのやり取り。この会社は、20以上もの出会い系サイトを運営していた。登録利用者は37万2000人。稼いだ金額は、2年という短期間で、なんと116億円にも上っていた。
「これほど大規模にやっていた例は初めてですね」
ITジャーナリストの三上洋さんは言う。ここまでに肥大化したのは、手口が巧妙だったからだ。
「メールのほか、ラインやFB、ミクシィなどSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)を巧みに使い分けていました。相手によって、男性タレントや女性タレント、あるいは霊能者や金融機関の支店長など、興味を持ちそうな人物になりすましています。今回は、136万円を騙し取られた人が被害届を出したことで発覚しましたが、泣き寝入りしている人がほとんどです」
作家の内藤みかさん(42才)のママ友も、ニセ嵐のニセ二宮和也からのメールに騙されかけたという。
「『有名人だから有料サイトを通さないとやり取りできない』とか『携帯はマネジャーに管理されているから使えない』とか、普通に考えれば疑わしい言い分も、彼女は完全に信じ込んでいました」
そう話す内藤さんも、他人事ではないと自覚している。
「私は三浦春馬くんのファンで、ファンサイトにも登録しているので、春馬くんからメールが来れば、信じてしまうかも」
※女性セブン2013年7月11日号