気温も湿度も上がるこの時期は、傷み対策が重要! 当日に必ず火を通すのはもちろん、調理道具やお弁当箱、手をきれいに洗って清潔を保つことも大切だ。
「夏のお弁当は、きちんと火を通し、しっかり冷ましてから詰めることが大事です。ただ、時間がないと、加熱も冷ますのも甘くなりがち。傷み対策を万全にするためにも、ベースになるおかずを作り置き、市販食品を上手に組み合わせて当日の朝、火を入れるといいですね」と料理研究家の武蔵裕子さんは語る。
著書に『傷みにくいお弁当&作りおきおかず』(成美堂出版刊)などがある武蔵さんが、お弁当を傷ませない安心テクニックを10個教えてくれた。(以下「」内が武蔵さんの発言)
【1】ご飯もおかずも完全に冷ましてからふたをする
温かいうちにふたをすると、蒸気がこもって傷みの原因に。「ご飯は温かいうちに詰めて冷ましましょう。保冷剤にのせておくと早く熱が取れますよ」
【2】汁気をしっかりきる
余分な水分も大敵。煮物の煮汁などはざるでしっかりきってからお弁当箱へ。かつおぶしやゆかり、ごまなどをまぶして水分を吸収させるのも◎。
【3】冷凍食品や生野菜をそのまま入れない
野菜はすべて加熱調理が基本。レタスなどを仕切りに使うのも避けること。「冷凍野菜は解凍時に水分が出るので、夏は一度加熱したほうが安心ですね」。
【4】作り置きおかずも加工食品も当日、必ず火を通すこと
しっかり加熱すれば、細菌の心配は大幅ダウン。作り置きおかずも加工品も、要冷蔵のものは中まで加熱を。マヨネーズも加熱するか、小袋で持参する。
【5】火を通した後に切らない
表面は火が通っていても、中身はデリケート。切り口から傷む心配があるので、必ず切ってから加熱する。「ピックを刺すのも避け、添えるだけに」。
【6】炊き込みご飯はNG混ぜご飯はOK
炊き込みご飯は具や調味料から栄養分や水分が出て傷みやすくなる。混ぜご飯も、混ぜていいのは、ごまや青のり、ゆかりなど、常温で保存できる乾物だけ。「鮭フレークやチーズなどの要冷蔵品、ねぎなどの野菜も避けましょう」。じゃこもNGだが、オリーブ油でカリッと炒めれば大丈夫。油をよくきって保存しておくと重宝。
【7】すし飯にするのも◎
お酢には抗菌作用がある。しかも、すし飯は冷めても固くなりにくい。「ただ、具はごまなどの乾物のみに。甘酢しょうがを刻み混ぜるのもオススメ」。
【8】おにぎりはラップでにぎって直に触らない
手には細菌が残っているもの。おにぎりをにぎるときはラップを使う。「具にも注意。梅干しやかつおぶしはOKですが、要冷蔵の鮭やツナは、夏は向きません」。
【9】ご飯は梅干しを入れて炊くと傷み防止に
水加減した米に梅干し1個を入れて炊くと、梅干しの殺菌作用が全体に巡り、ほどよい酸味も。「炊き上がった後、梅肉を崩しながら全体に混ぜても美味」。
【10】必ず箸で詰める
加熱調理しても、再び手で触ったのでは効果半減。おかずは完全に冷まし、菜箸を使って詰める。カップや仕切りも、箸で入れるとさらに安心。
※女性セブン2013年7月11日号