国会が閉会し、政界は参院選モードに突入した。安倍晋三首相や麻生太郎・副総理は前哨戦の都議選から応援演説にフル稼動していたが、なぜかあの人物の姿がどこにもない。首相以上の集客力を持つといわれる“選挙の顔”小泉進次郎・自民党青年局長である。
進次郎氏は6月30日投票の横須賀市長選のため、青年局の仲間に、「都議選の応援にはあまり行けないかもしれない」と断わって地元に張り付いていた。
しかし、それは進次郎氏に地元で勝たせてやりたいという安倍首相の“親心”からではなかった。自民党執行部の1人がいう。
「進次郎が応援に回れば総理が霞んでしまう。選対幹部は総理の意向をくんで『都議選の応援はいいから地元で勝って見せろ』と地元の横須賀市長選に専念させ、手柄を奪われないようにした」
さらに、首相に近い議員からは、「結果が見もの。地元市長選で負けたら進次郎も大口は叩けなくなるだろう」と、“進次郎の敗戦”を期待する発言まで飛び出していた。
投開票の結果、進次郎氏が選対本部長を務めた自公推薦候補は落選した。
※週刊ポスト2013年7月12日号