ついに公示された参院選。報道では、自民党圧勝という予想が大半だが、そんな自民党のなかで安倍晋三首相(58才)と並んで、人気の先頭に立つのが小泉進次郎衆議院銀(32才)だろう。その人気は選挙応援の要請数でも明らかだ。
「前回の衆院選では応援要請が殺到し、自分の選挙区はそっちのけで全国60か所を8日間で回りました。ところが今回の参院選では、青年局の議員応援に専念するという理由で、他の応援要請を断っています」(自民党関係者)
6月26日に地元・横須賀で開かれた横須賀市長選の応援演説会でもイス200席が埋まり、立ち見を含め300人が詰めかける盛況ぶりだった。
安倍首相も政権発足以来、アベノミクス効果などで人気が高く、最新の世論調査で6割前後の高支持率を維持する。しかし、全世代に支持される進次郎氏と違って、安倍首相にはアンチが多く、街頭演説で野次が飛ぶことも多々ある。
横須賀市内での演説で壇上に上った進次郎氏は聴衆を見渡し、安倍首相のキーワードを用いて力強く話した。
「今日は私の初めての選挙で支援いただいたかたも多くお見えです。あの時は民主大ブーム、自民超不人気、小泉への世襲批判、まさに『3本の矢』が私に向かってきた選挙でした」
いきなりの“進次郎節”が会場の笑いを誘う。その後も進次郎氏の巧みな演説に聴衆はうなずき、笑い、拍手した。
なぜ進次郎氏の演説は人を魅了するのか。日本大学芸術学部教授(パフォーマンス心理学)の佐藤綾子さんが言う。
「進次郎さんは、『お前らついてこい』という上から目線でなく、聞き手を自然に主役に変えて、『一緒に何かをしましょう』と呼びかける“巻き込み話法”が抜群に上手です。アメリカのオバマ大統領が得意な手法を若い進次郎さんが習得していて驚きます」
安倍首相も演説を得意とするが、進次郎氏とは違いが。『小泉進次郎の闘う言葉』(文春新書)の著書があるノンフィクションライター・常井健一さんはこう話す。
「安倍さんは『毅然とした』『真正面から』など、ふわっとした正義感に訴えかける抽象的な言葉を好む。『日本を取り戻す』もよい例です。進次郎さんは『私は客寄せパンダ』『自民党は巨人軍』など、具体的にイメージしやすい例えを多用するのが特徴です」
※女性セブン2013年7月18日号