いくつになってもオスが若いメスを追いかけるのは、いったいなぜなのか。生物学者の池田清彦氏は、その理由についてこう解説する。
「オスは交尾して自分の子孫を残そうとする本能を持っています。相手が高齢のメスだと寿命や子育ての面で不安がありますから、オスのDNAには若いメスに魅力を感じるよう刷り込みがなされているわけです」
ただし、若すぎるメスだと子育てがうまくないので問題が生じる。チンパンジーの場合、1回か2回、子供を産んだことがあるメスに人気が集まるそうだ。
「人間の女性の年齢でいうと、20代前半ではなく、20代後半からアラサーが人気という感じでしょうか」
さらに人間の男性の場合、本能だけでなく、世間体や見栄という社会的要素も絡まってくるのだという。
「こういうと女性の反感を買いそうですが、男にとって若くて美しい異性はステータスなんです。これは社会的コードといわれ、そうした女性をゲットしたことで、男は自分の値打ちがアップしたと感じるわけです」
また、人類のセックスが繁殖目的だけでない点にも注目しなければいけない。
「人間はコミュニケーションと快楽のツールとしてセックスをします。男にとって、若くてきれいな女性とのセックスは、コミュニケーション的にも快楽的にも満足のいく行為にほかなりません」
池田氏は、セックスにかかわる社会規範からのアプローチも指摘する。
「中高年男性と若い女性の不倫には、タブーを破るドキドキ感や罪悪感と紙一重の快感があるのも事実です。不倫をすることが命にかかわっていた時代もあったわけですから、そうした気持ちがドーパミンを分泌させ、若い女性を抱けて幸せだと、脳を興奮させるのです」
本能と快楽、社会に脳内物質。どうにも男というやつは、若い女性に弱くできているようだ。
※週刊ポスト2013年7月12日号