6月26日、千秋楽を迎えた博多座・六月大歌舞伎。昼の部『ヤマトタケル』のカーテンコールで、ファンも予期していなかった嬉しいサプライズ。
幕が上がり、姿を見せたのは香川照之(市川中車・47才)と市川猿之助(37才)に支えられた市川猿翁(73才)だった。
今年1月下旬に肺炎のため緊急入院して以来、長期療養中の猿翁の登場に観客のボルテージは最高潮となったが、その姿はまるで別人だった…。
頬はこけ、腕や首も骨を皮が覆っているだけのような細さ。流行のネオンピンクのシャツにブルーのカーディガンをプロデューサー巻きした若者っぽいスタイルが、さらに痛々しさを引き立たせていた。
支えがなければ歩くことも難しく、かつて宙乗りなどの派手なパフォーマンスで観客を沸かせていた人物とは思えないほど。この猿翁の姿に梨園関係者からは、こんな声があがる。
「猿翁さんのあんな姿は見たくなかった」
「舞台に立たせないほうがよかったんじゃないか。全盛期の記憶のまま残しておきたかった…」
今回の猿翁の登場は香川のたっての希望だったという。
「今、猿翁さんは食事もできず、点滴だけで栄養を摂っている生活で、体重は30kg台しかないんです。そんな状態にもかかわらず、香川さんは“猿翁さんと博多座で共演したい”という思いが強かったみたいで、福岡に呼び寄せてカーテンコールだけでもとステージに上げたんです。しかし、これには澤瀉屋内部からも“どうして止めなかったんだ?”という不満の声があがっているんです」(梨園関係者)
※女性セブン2013年7月18日号