大人気の連続テレビ小説『あまちゃん』(NHK総合、午前8時~ほか)。宮藤官九郎氏の脚本の特徴といえば、クスクス笑える小ネタとともに、各所に巧妙な伏線が仕掛けられていること。その伏線が今後、どのように回収されるかが、物語の展開を左右する。
震災のシーンは避けて通れないというのが共通の見方だ。
『大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた』(太田出版刊)の著者でライターの田幸和歌子氏は、かつて本誌で「震災で夏ばっぱ(宮本信子)が亡くなり、春子が海女になる」と予測した。
『潮騒のメモリー』に「三途の川のマーメイド」という歌詞があり、これが夏ばっぱを指しているというわけ。さらに、
「上京直前、家でアキと春子が話している最中に夏がフワッと立ち上がっていなくなり、アキと春子が『さっきまでいたのにね』『海に行ったんだね』といったやりとりをする。その後のシーンも意味深で、アキが奥の部屋のほうに去っていくのが不自然なスローモーションになっていた。これは、アキが二度とこの家に戻ってこられない、あの家での最後のシーンという意味だったのでは」
と田幸氏。ただし、震災や津波に関しては、「鉄拳のアニメーションで描くはず」(田幸氏)
「夏ばっぱの死」については、ネット上でもかなり確信的に噂されているが、一部の宮藤ファンからは、「どんなに辛いシーンでも笑いでオチをつけるはず」(30代男性)との声も上がっている。
「津波にのまれた夏ばっぱが、瓦礫にしがみついて沖を漂流しているところを、夫・忠兵衛(蟹江敬三)のマグロ漁船が通りかかって救出する。これならハッピーだし、忠兵衛が再び漁船に乗った意味も出てくる」(40代男性)
※週刊ポスト2013年7月12日号