ビジネス

首都圏マンション売れ行き5割増 即売の「瞬間蒸発物件」も

 駅のホームやコンビニのラックに積まれた無料の住宅情報誌が、目に見えて分厚くなった。安倍政権が放ったアベノミクスは、不動産業界を沸騰させている。みずほ証券チーフ不動産アナリストの石澤卓志氏がいう。

「どこのデベロッパーも今期は力の入りかたが違う。4月、5月と首都圏のマンションの売れ行きが前年同月比で5割も増え、契約率も上昇中。今はこの5~6年で最も不動産が売れている」

 マンションの土地取得競争が激化し、都心の地価は上昇傾向にある。多くのマンションデベロッパーが供給計画を上積みし、実際に着工数、供給数を増やしている。

「首都圏マンションの新規発売戸数は2009年を底にして回復基調。今年は6年ぶりに5万戸の大台に乗ると予測されている」(不動産経済研究所の福田秋生・調査部長)

 それでも需要には追いつかない。モデルルームに訪れる購入希望者は後を絶たず、マンションの売れ行きの指標である「販売初月契約率」も8割に届く勢いだ。

 立地や価格帯にもよるが、売り出した途端に売り切れる「瞬間蒸発物件」も数多く出現しているという。

「要因は2つある。1つはこれから不動産の値段が上がってしまうのではないかという価格上昇懸念。もう1つは住宅ローン金利の上昇懸念です」(福田氏)

 長引くデフレで資産価値が下がりきっている折も折、金融緩和によって資産インフレを狙う安倍政権が登場した。

 デフレ脱却期に不動産を購入できれば、低金利のうちに住宅を手にすることができるうえ、近い将来の資産価値の上昇も期待できるというわけだ。

※週刊ポスト2013年7月19・26日号

関連キーワード

トピックス

母・佳代さんのエッセイ本を絶賛した小室圭さん
小室圭さん “トランプショック”による多忙で「眞子さんとの日本帰国」はどうなる? 最愛の母・佳代さんと会うチャンスが…
NEWSポストセブン
春の雅楽演奏会を鑑賞された愛子さま(2025年4月27日、撮影/JMPA)
《雅楽演奏会をご鑑賞》愛子さま、春の訪れを感じさせる装い 母・雅子さまと同じ「光沢×ピンク」コーデ
NEWSポストセブン
自宅で
中山美穂はなぜ「月9」で大記録を打ち立てることができたのか 最高視聴率25%、オリコン30万枚以上を3回達成した「唯一の女優」
NEWSポストセブン
「オネエキャラ」ならぬ「ユニセックスキャラ」という新境地を切り開いたGENKING.(40)
《「やーよ!」のブレイクから10年》「性転換手術すると出演枠を全部失いますよ」 GENKING.(40)が“身体も戸籍も女性になった現在” と“葛藤した過去”「私、ユニセックスじゃないのに」
NEWSポストセブン
「ガッポリ建設」のトレードマークは工事用ヘルメットにランニング姿
《嘘、借金、遅刻、ギャンブル、事務所解雇》クズ芸人・小堀敏夫を28年間許し続ける相方・室田稔が明かした本心「あんな人でも役に立てた」
NEWSポストセブン
第一子となる長女が誕生した大谷翔平と真美子さん
《真美子さんの献身》大谷翔平が「産休2日」で電撃復帰&“パパ初ホームラン”を決めた理由 「MLBの顔」として示した“自覚”
NEWSポストセブン
不倫報道のあった永野芽郁
《ラジオ生出演で今後は?》永野芽郁が不倫報道を「誤解」と説明も「ピュア」「透明感」とは真逆のスキャンダルに、臨床心理士が指摘する「ベッキーのケース」
NEWSポストセブン
渡邊渚さんの最新インタビュー
元フジテレビアナ・渡邊渚さん最新インタビュー 激動の日々を乗り越えて「少し落ち着いてきました」、連載エッセイも再開予定で「女性ファンが増えたことが嬉しい」
週刊ポスト
主張が食い違う折田楓社長と斎藤元彦知事(時事通信フォト)
【斎藤元彦知事の「公選法違反」疑惑】「merchu」折田楓社長がガサ入れ後もひっそり続けていた“仕事” 広島市の担当者「『仕事できるのかな』と気になっていましたが」
NEWSポストセブン
お笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志(61)と浜田雅功(61)
ダウンタウン・浜田雅功「復活の舞台」で松本人志が「サプライズ登場」する可能性 「30年前の紅白歌合戦が思い出される」との声も
週刊ポスト
4月24日発売の『週刊文春』で、“二股交際疑惑”を報じられた女優・永野芽郁
【ギリギリセーフの可能性も】不倫報道・永野芽郁と田中圭のCMクライアント企業は横並びで「様子見」…NTTコミュニケーションズほか寄せられた「見解」
NEWSポストセブン
ミニから美脚が飛び出す深田恭子
《半同棲ライフの実態》深田恭子の新恋人“茶髪にピアスのテレビマン”が匂わせから一転、SNSを削除した理由「彼なりに覚悟を示した」
NEWSポストセブン