参議院選挙がスタートした。数ある選挙区のなかで注目されるのは最大定数5を20人で争う混戦区の東京だ。
公示日の2日前、鈴木寛氏、大河原雅子氏という現職2人を擁立していた民主党で内紛が勃発。都議選惨敗に慌てた執行部が、「このままでは共倒れする」と鈴木氏への候補者1本化を決め、大河原氏の公認を取り消した。
大河原氏は無所属で出馬を決めた。ライバルの自民党陣営は「鈴木に大河原票は乗らないから一本化のメリットはない」と見る。
その自民党からは丸川珠代氏と武見敬三氏が出馬。都議選での大量得票を分け合うと計算すれば2人当選は十分可能だが、そうは問屋が卸さない。自民党都連幹部がいう。
「どっちが目立つかの勝負で、都議選のときも開票本部には2人ともいたが、丸川はカメラの前で当選者の名前にバラをつける役をやらせてくれと売り込んだ」
今回2人当選しても、次の改選で逆風が吹けば民主党のゴタゴタが、“明日は我が身”になる。だから互いに自民党票を独占して相手を落としたいのが本音だ。
公明党代表の山口那津男氏は当選圏内と見られているが、陣営が気にしているのは共産党・吉良佳子氏の追撃。都議選の得票数はほぼ互角だっただけに「代表が共産党の新人に票差で負ければ責任問題」(支持者)と気が気でない様子だ。
定数5のうち自民2人、公明、共産が先行し、残る1議席を民主、みんなの党、維新らが争う展開だ。
もうひとつの注目選挙区は維新の存亡がかかる橋下徹・共同代表のお膝元である大阪選挙区(定数4)だ。ダントツ1位を狙いたいところだが、わずか半年で地元でも勢いを失っている。「10議席」という目標を掲げたものの、勝敗ラインは現有3議席が維持できるかどうか。大阪を落とせばそれさえ赤信号が灯る。
※週刊ポスト2013年7月19・26日号