【マンガ紹介】
『ちづかマップ(2)』衿沢世衣子/小学館/830円
『ラウンダバウト(3)』渡辺ペコ/集英社/580円
女友達の誕生日に、プレゼントってあげていますか? 夫や恋人などと違って、絶対あげなきゃだめ、というわけではないけれど、気の利いた(高くはない)何かをあげたいもの。でもこれが意外と難しいんですよね。
衿沢世衣子『ちづかマップ』(小学館)に登場する鹿子木ちづかは、古地図を片手に街を散策するのが大好きな女子高生。仲良しの友達・るーちゃんの誕生日を2年連続で忘れてしまう、という失態をおかします。
るーちゃんが気に入っていた青いクッキー缶を買いに老舗の洋菓子店に出かけるも定休日。と、同級生の男子・ネオくんとバッタリ会います。彼のおすすめの別のお菓子に決めかけたところで、「遅れたわりにサプライズに欠ける」ことに気づきます。そう、親友に何日か遅れでプレゼントを渡すなら、やはりサプライズが必要。
そこでネオくんの新提案は、手作りケーキ! 「お菓子なんて作りそうもない鹿子木が心をこめて作るのがサプライズじゃん」と自分の家に招き、パウンドケーキ作りを指南。泡立てに苦労しつつも、親友のことを思いながら、彼女の好きなラムレーズンとくるみを生地に投入しているちづか、いい顔してます!
異性ではなく、女の子が女の子にあげる手作りスイーツはなんだかとってもいい感じ!
もう1作は女友達に、ではないのですが、衝撃的なプレゼントだったのでご紹介。渡辺ペコ『ラウンダバウト』(集英社)の女子中学生マコトは、大ファンの漫画家が貧弱な体に悩んでいるのを聞きつけ、全財産をつぎこんで2kg4980円の「プロテイン」をプレゼント!
編集者経由で受け取った漫画家も「すっげえ 目の覚めるようなマズさだなコレ」と思わず咳き込む衝撃の味。
でも筋肉つけてがんばって、というマコトの真摯な思いは、マズさとともに強烈に伝わったのでした。
やはりプレゼントは無難なものより何らかの爪跡を残すことが大事なのかもしれませんね(恋愛関係の相手の場合は、むしろベタでいい気がしますが!)。
■文/門倉紫麻
※女性セブン2013年7月25日号