今年でデビュー40周年を迎え、記念CDアルバム『高橋40年』を発売した歌手・高橋真梨子(64才)だが、40年の間にはうつ症状や母の死など数々の困難があった。
歌に専念していくなかでこれらを乗り越えてきたが、2年前、高橋のうつが再発した。原因は東日本大震災、そして同年に、学生時代からの親友が亡くなったことだった。
「“また?”という感じでした。治まっていたホットフラッシュも再発して。また何も食べられなくなったんです。ホイップクリームが好きだったんですけど、それもまったくダメで、じゃあ何を食べたらいいのっていう感じ。前よりさらにひどくて、肌がバリバリになったり、湿疹ができたり。悩んで、イライラ感もずっとありましたね」(高橋)
さらに、パニック症候群のような発作を起こすようにもなった。
「点滴を30分受けていられないんです。じっとしてると震えてきたり。夜もベッドに寝ていられなくて座って寝てたかな」(高橋)
43kgあった体重は38kgにまで落ちた。抗うつ剤や睡眠導入剤など薬もいろいろ試した。それでも、この時も彼女はステージに立つのをやめなかった。
コンサート前はいつもソファで横になって、本番直前に舞台袖まで抱きかかえられていった。当時を夫であり、彼女のプロデューサーでもあるヘンリー広瀬(69才)がこう振り返る。
「リハーサルもやめようってこともあったね。本番もできないかもしれない、その時はお客さんに謝ろうって話しながら休んで。化粧ができるような状態になるまでひたすら待つ。そうするとギリギリになって泣きながら“やる”って。本人はやる気はあるんですよ」
いざ舞台袖まで行くと、高橋のスイッチが切り替わるのだという。
「私の性格かもしれないけど、お客さんが“そんなにがんばらなくていいよ”っていう顔をして笑顔で迎えてくれるんですよ。それがすごく支えになったし、スタッフがみんな支えてくれる、抱きとめてくれるっていう思いも感じたし。すごく苦しいけど、周りの優しさを感じられて。それを裏切ってはいけないと思いました」(高橋)
※女性セブン2013年7月25日号