男役トップという頂点を極めた宝塚時代。スマートな“男性スタイル”から一転、退団後はくびれがあるしなやかな女性らしい体を目指した男役トップの紫吹淳(44才)。
「15才で宝塚に入り、いちばん“女らしさ”を謳歌できる時に“いかに男らしい男になれるか”を目指してましたから、その反動かもしれません(笑い)」(以下、「」内紫吹)。
ほどよく丸みをおび、思わず触れたくなるようなやわらかな質感のあるボディーはR40女性の理想像。著書に『タカラヅカ式ダイエット』(PHP研究所刊)もある柴吹に、そんな美ボディーの作り方を聞いた。
男役→女優への転身で生まれたのが紫吹流“タカラヅカ式ダイエット”だ。
「男役を演じていた現役時代は、“タキシードにパンツ”というスタイルが基本。ウエストを絞った衣装はほとんど着なかったので、みるみるずん胴体形に…。そのうえ、男役は肌の露出も少ないので、鎖骨や肩甲骨は埋もれていました。
10年前に退団して最初に思ったのが『“女優”になったのに、このボディーラインじゃヤバい!』ということ。そのとき、思い浮かべたのは“娘役”のボディーライン。ただ細いだけじゃなく、くびれがありながらもしなやか。まさに“守りたい女”のイメージ。その体をつくるのに必要なのは、筋肉がつくトレーニングより筋肉を伸ばすストレッチだと。紫吹流“タカラヅカ式ダイエット”はストレッチが中心です」
“なりきり”タカラジェンヌが、立ち居ふるまいをきれいにするという。
「宝塚のトップって、ある日、なんの前触れもなく抜擢を告げられたりするんです。現役時代は、いつ、どんな姿を見られているかわからない。毎日オーディションを受けているような緊張感がありました。
でも、今思うと、そうやって“常に人に見られている”ことで、姿勢や立ち居ふるまいも磨かれていったんじゃないかと思います。みなさんも、1日1回でも“人に見られている”ということを、あえて意識してみてください。そう、ちょうど舞台に立つタカラジェンヌになったつもりで。そう思うと自然と背すじが伸びてきます」
美しい肩甲骨の象徴“天使の羽”は何才からでも浮かび上がってくるのだろうか。
「“R40”になっても肩甲骨は浮かび上がるの?”と思う人も多いかもしれませんが、年齢は関係ありません。そもそも体は、甘やかせばすぐに衰えたるみますが、逆に気にかければかけるほど応えてくれるものです。私の“天使の羽”も、35才で退団した時はなかったのに、今ではほら、ちゃんと見えるでしょう。ちなみに、バストも現役時代は左右に“解散”していてペタンコでしたが、上げたり寄せたりしていたら戻ってきました(笑い)」
“憧れの人”をイメージすることで理想の体に近づいていく。
「宝塚時代は、欧米人を演じることが多かったので、よく洋画を見ました。そのとき、目指したい具体的な男性のイメージを持つと、実際に演技もしやすかった。自分が理想とするイメージに近い人を見つけ、その人の真似をすることでスタイルが理想に近づいていくってことってあると思うんです。私は今でも、ステキな女優さんやしぐさが美しい人を見つけるとよいところを真似します。そうすることで、自分が理想とするイメージに近づける気がします」
※女性セブン2013年7月25日号