男女平等の権利が認められる社会が理想ではあるけれど、近ごろは逆転現象が起きてはいないか。女性限定の割引サービスをする飲食店や各種サービス業は多くあるのに、男性限定サービスは見かけない。そして、恋愛や結婚をするためにも、男性はシビアな状況に置かれる。
合コンでの女尊男卑は、その料金を見ることで明らかだ。
街コンジャパン(株式会社リンクバル)が主催する「第3回街コン@有楽町」(女性20代限定・男性35歳以下限定、7月7日)の参加費は、女性が2人1組7800円に対し、男性は2人1組1万3000円。飲み物も食べ物も同じなのに、倍近い差がある。
街コンジャパンを運営する株式会社リンクバルの大木隆太郎プロデューサーがいう。
「男女同じ価格にすると、都内ではどうしても女性が集まらない。女性が集まらなければ男性も集まらない。会が成立しなくなってしまいます。男性のニーズの方が高いため、多少価格が高くても参加してくれるのです」
女性の倍近い金を払わないと出会いにもこぎつけられない上に、男は女性側から様々な「条件」を求められる。
「婚活サイトに登録しようとしたら、出身大学や勤務先はもちろん、年収から家族構成まで書かなければならない。自分はあまりいい大学を出たわけでもないし、年収も高くはない。それでも背に腹はかえられないと数十万円の登録料を払って登録しましたが、成果はゼロ。聞けば、女性は年齢だけを登録すればいいとかで、正直、その差に愕然としました。なぜ男ばかりが値踏みされなければならないのか……」(38歳・会社員)
そう語る彼は、もはや悔しさを通り越し、諦めの表情を浮かべていた。
婚活サイトの登録条件は、男性は「大卒以上」が当たり前のようになっていて、収入証明書を求めるところもある。さらに「親の遺産を相続できるか」といった質問に答えさせられるケースもある。
一方、女性の登録に際しては、年齢以外ほとんど条件がないところが多い。入会金にも差があり、男性からは数十万円の登録料を取り、女性は無料というサイトもある。
『うまくいく婚活、いかない婚活』(朝日新書)の著者でジャーナリストの多賀幹子氏がいう。
「ほとんどの紹介会社が『大卒以上』をうたっているので、高卒では婚活の土俵にも立てないのが現実。人間性でアピールしようと思ったって、できないんです。“逆差別ではないか”と指摘すると、『女性をたくさん呼ぶには仕方がない』と断言されてしまいました」
※週刊ポスト2013年7月19・26日号