歌手・田原俊彦(52)が約21年ぶりの記録を達成した。6月19日発売のオリジナルアルバム『I AM ME!』が、オリコンの7月1日付週間アルバムランキングで24位に初登場。アルバム20位台に入ったのは、ジャニーズ事務所所属時代、1992年の『GENTLY』以来となる。
この年の田原は映画『課長島耕作』、連続ドラマ『逃亡者』に主演するなど、スター街道をまっしぐらに走っていた。だが、この2年後、ジャニーズ事務所から独立し、向かい風にさらされることに。芸能関係者はこう話す。
「ジャニーズは、独立したタレントと自社のタレントの共演を好ましく思わない。よほどの大手事務所に移籍した場合は別ですが……。田原は独立後、明らかに勢いを失ったし、ジャニーズタレントとの共演もなくなりました」
1970年代の郷ひろみの移籍後、ジャニーズ事務所はこれといったアイドルを生み出せず、ピンチに陥っていた。そこに現れたのが、田原俊彦、近藤真彦、野村義男の“たのきんトリオ”だった。田原と近藤はソロデビューを果たし、大ブレイク。その後、シブがき隊、少年隊、光GENJIなどが続き、今に至るまでジャニーズの黄金時代は続いている。
「たのきんがいなければ、今のジャニーズはない。それを後輩たちも知ってか、今でも田原のことを尊敬する現役ジャニーズはたくさんいますよ。田原のジャニーズ時代のとてつもない努力が、いまも語り継がれています。日夜、田原はダンスレッスンに励んでいたからこそ、50歳を超えた今でもあれだけの踊りができる。
それに、SMAPやTOKIO、V6などは“びんびん世代”。中居正広は、『SMAP×SMAP』でトシちゃんと思われるキャラクターのマネをしたり、ほかの番組でもトシちゃん好きをそれとなく画面から伝えています」(同前)
田原がアルバム『I AM ME!』の発売に合わせて出演した6月19日の『笑っていいとも』(フジテレビ系)では、ちょっとした“事件”があった。テレフォンショッキングに出演した田原が、「一昨日、ジャニーズのタッキー&翼の(今井)翼君がたまたま(カラオケで)同席したてんですけど、『(田原の歌を)歌っていいですか』と3曲くらい歌っていました」と話したのである。後日、今井もラジオ番組でそのことについて触れ、田原の親友・三浦知良がつないだ席だったと判明した。
「現在、『いいとも青年隊』はジャニーズ所属のnoonboysが務めていますが、『笑っていいとも』に普通に田原が出演した。それくらいは当たり前と思われるかもしれませんが、以前では考えられない。
2000年、2時間ドラマとして『教師びんびん物語スペシャル』(フジテレビ系)が放送された際も、田原は『いいとも』に出ています。番組宣伝をするとき、ドラマ放送当日に登場するのが普通ですが、この時のドラマ放映日である金曜の『いいとも』にはSMAPの草なぎ剛がいたためか、田原はジャニーズタレントのいない前日の木曜に出演。なんとも不自然な格好になった過去があります」(同前)
そう考えると、かつて強固だった“壁”は、徐々に崩れつつあるようだ。
「V6の井ノ原快彦、長野博は『トシちゃんに憧れてジャニーズに入った』と過去に公言している。数年前、井ノ原は担当するラジオ番組で、『ジュニアのときのゴールって、トシちゃんのバックダンサーだったよね』『やっぱトシちゃんっていうのは別格でしたからね』『会いたいです。是非いつか会いたい』と話し、共演を熱望したこともありました。
さまざまな絡みがあるため、なかなか口には出せないだけで、田原と共演したいと考えているジャニーズのタレントはたくさんいます」(同前)
以前と比べ、徐々に雪解けしてきたことは間違いない。田原俊彦と現役ジャニーズタレントが共演し、一緒にヒット曲を歌う日は来るか。