国立がん研究センターによると、年間約2700人が子宮頸がんにより亡くなっている。かつて、子宮頸がんに対して“性体験の多い女性ほどなりやすい”といった、誤った認識がまかり通っていた時代もあった。
もちろん、一度でもセックス経験があれば、ヒトパピローマウイルス(HPV)に感染し、子宮頸がんになる可能性は誰にでもある。しかし、正しい知識がないことにより、一部では今も偏見が消えていないのだ。
獨協医科大学越谷病院泌尿器科医の小堀善友さんはこう語る。
「子宮頸がんの問題は、HPVに感染したかどうかではなく、持続感染するかどうかです」
一方、男性側の“性的な活動”が原因で、感染リスクが高まる可能性があると、小堀さんは憂慮する。
「尿の調査では、ハイリスク型HPVが検出された例は、セックスしたパートナーの数が多い未婚男性からのほうが多かったんです」(小堀さん)
もうひとつ、日本人の男性器の特徴とも関連があるのではないか、と成城松村クリニック院長で産婦人科医の松村圭子さんは言う。
「日本人の男性の約6割は仮性包茎といわれますが、皮を被った部分には垢がたまりやすいので、さまざまな菌やウイルスの温床となり、HPV感染のリスクも上がるのではないかと推察されます。統計はありませんが、HPV感染や性感染症を防ぐうえでも、男性器をきちんと洗うことは、効果があるでしょう」
そう、男性は決して無関係ではない。むしろ、男性こそが意識を改革し、“予防のためにできることがある”と努力すべきなのだ。
※女性セブン2013年7月25日号