国内

80歳自民党OB 「老人党」結党を提案、党首に元公明・矢野氏

 自民党の大勝で日本の政治状況は「大政翼賛会」となってしまうのではないか……そんな危惧を抱く4人の政治家OB、村上正邦(元自民、80歳)、矢野絢也(元公明、81歳)、平野貞夫(元民主、77歳)、筆坂秀世(元共産,65歳)が立ち上がった。国会に抵抗勢力がないなら、わしらが抵抗勢力になるしかないとぶち上げた。

矢野:我々の前にまず若い人に頑張ってもらわんと。我々はもう後期高齢者なんですよ。

村上:後期? なんか末期症状のような感じがするけどね(笑い)。

矢野:戦争の末期の経験はしたけどね。我々は徴兵制度で兵隊に行かなくてすんだ。空襲の経験はあるけど、終戦後の闇市なんて結構活気がありましてな。

村上:あの頃は希望があったなぁ……。

矢野:やれ朝鮮動乱だ、やれ学生運動だとガタガタして、高度成長だ、バブルだと来て、いまデフレだと。でも、もう現役じゃない。だから、本当にいい時代を生きてきたと思います。

 でも、いまはもう大変な高齢化社会で、我々は後世に生活環境も年金も医療も含めて多大な国の借金を押しつけてしまった。だから、そういう議論をやらなきゃいけないが、正直言うて、もう我々は一丁あがったという感じでございます。

村上:そうでもないよ。

筆坂:矢野先生は一丁あがった年代だからいいんですけど、僕は団塊の世代真っ只中なんですよね。

村上:まだあがってないよ。

筆坂:僕らがものすごい抵抗感があるのは、これから団塊の世代が70代、80代になっていくと、若い人は大変でおれたちの責任かなと思うわけですよ。しかし、団塊の世代も年金は下げられて大変なんですよ。だから、若い世代と団塊の世代を対決させるような言い方ではなしに、この超高齢社会をどう支えるかっていうことを考えてもらわないと。

矢野:若い世代に押しつけるのは酷ですよ。高齢者も少しは負担しなければ共感が広がらない。何でわしらが支えなあかんねんという議論になりますよ。

村上:だから、いい時代を生きてきた我々老人は、若い連中に負担をかけるんじゃなく、若い連中が希望をもてて、その未来が開けるように力を尽くしていくことを考えていかなきゃならんと思ってるの。いみじくもこの宣言文には、「老驥(ろうぎ)櫪(れき)に伏すとも、志(こころざし)千里に在り」と書いた。

平野:また難しい言葉を。

村上:歳をとった馬が柵につながれてエサばっかり食ってと思われているけど、その馬の志は千里にあり。いざというときには千里を走ってみせるという志を持っているという意味です。

矢野:まあ、元気なことだよなあ(笑い)。

筆坂:この言葉を見ると、種馬を思い出すね。

村上:だからさ、このメンバーで「老人党」を結党しようよ。矢野先生を党首にしてさ。

矢野:……(苦笑)。

村上:みんなまだ現役だから、次の選挙で立候補するんだよ!(一同苦笑)

──最後の抵抗勢力ですね。

矢野:それで何十年も生きたりして。

村上:やっぱりしっかりした政党を作らなきゃ。いまの政党要件は、松、竹、梅と全然違う木を5本、同じ植木鉢に差しさえすれば天から水をもらえるというんだから(*注)。それで国民に信用しろといったって無理な話ですよ。

筆坂:これからはそんな政党は淘汰されていきますよ。

村上:しかし、わが老人党はそんなことないよ!

筆坂:死ぬ以外は淘汰されない(笑い)。

平野:現役の政治家たちは、選挙が怖くて高齢者に向けていい顔しかできないが、老人党だからこそいえるという側面はある。ただ、名前はちょっと変えたほうがいいんじゃない?

筆坂:「後期高齢者党」にしてくれよ。そしたらオレは入らなくてすむから。

【*注】現行の法律が定める政党要件では、国会議員が5人以上所属する政治団体を政党とし、政党交付金が受けられることになっている。

●むらかみ・まさくに:1932年生まれ。1980年に参議院議員初当選。自民党国対委員長、労働大臣、参議院自民党幹事長、参議院議員会長を歴任した。

●やの・じゅんや:1932年生まれ。公明党立党に参加し、1967年に衆議院議員に初当選。公明党書記長、委員長、最高顧問を歴任。

●ふでさか・ひでよ:1948年生まれ。日本共産党入党後、1995年に参議院議員初当選。党中央委員会常任幹部会委員、書記長代行などを務めた。

●ひらの・さだお:1935年生まれ。衆議院事務局に務めた後、1992年に参議院議員初当選。自民党、新進党、自由党、民主党を渡り歩いた。

※週刊ポスト2013年8月2日号

関連記事

トピックス

女優の広末涼子容疑者(44)が現行犯逮捕された
「『キャー!!』って尋常じゃない声が断続的に続いて…」事故直前、サービスエリアに響いた謎の奇声 “不思議な行動”が次々と発覚、薬物検査も実施へ 【広末涼子逮捕】
NEWSポストセブン
再再婚が噂される鳥羽氏(右)
《芸能活動自粛の広末涼子》鳥羽周作シェフが水面下で進めていた「新たな生活」 1月に運営会社の代表取締役に復帰も…事故に無言つらぬく現在
NEWSポストセブン
「居酒屋で女将をしている。来てください」と明かした尾野真千子
居酒屋勤務を告白の尾野真千子、「女優」と「女将」の“二足のわらじ” 実際に店を訪れた人が語る“働きぶり”、常連客とお酒を飲むことも
週刊ポスト
運転中の広末涼子容疑者(2023年12月撮影)
《広末涼子の男性同乗者》事故を起こしたジープは“自称マネージャー”のクルマだった「独立直後から彼女を支える関係」
NEWSポストセブン
女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された
《病院の中をウロウロ…挙動不審》広末涼子容疑者、逮捕前に「薬コンプリート!」「あーー逃げたい」など体調不良を吐露していた苦悩…看護師の左足を蹴る
NEWSポストセブン
北極域研究船の命名・進水式に出席した愛子さま(時事通信フォト)
「本番前のリハーサルで斧を手にして“重いですね”」愛子さまご公務の入念な下準備と器用な手さばき
NEWSポストセブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
《中山美穂さん死後4カ月》辻仁成が元妻の誕生日に投稿していた「38文字」の想い…最後の“ワイルド恋人”が今も背負う「彼女の名前」
NEWSポストセブン
山口組分裂抗争が終結に向けて大きく動いた。写真は「山口組新報」最新号に掲載された司忍組長
「うっすら笑みを浮かべる司忍組長」山口組分裂抗争“終結宣言”の前に…六代目山口組が機関紙「創立110周年」をお祝いで大幅リニューアル「歴代組長をカラー写真に」「金ピカ装丁」の“狙い”
NEWSポストセブン
中居正広氏と報告書に記載のあったホテルの「間取り」
中居正広氏と「タレントU」が女性アナらと4人で過ごした“38万円スイートルーム”は「男女2人きりになりやすいチョイス」
NEWSポストセブン
広末涼子容疑者(写真は2023年12月)と事故現場
《広末涼子が逮捕》「グシャグシャの黒いジープが…」トラック追突事故の目撃者が証言した「緊迫の事故現場」、事故直後の不審な動き“立ったり座ったりはみ出しそうになったり”
NEWSポストセブン
Tarou「中学校行かない宣言」に関する親の思いとは(本人Xより)
《小学生ゲーム実況YouTuberの「中学校通わない宣言」》両親が明かす“子育ての方針”「配信やゲームで得られる失敗経験が重要」稼いだお金は「個人会社で運営」
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《妊娠中の真美子さんがスイートルーム室内で観戦》大谷翔平、特別な日に「奇跡のサヨナラHR」で感情爆発 妻のために用意していた「特別契約」の内容
NEWSポストセブン