最近、中国と韓国の急接近ぶりが際立っている。さる6月27~30日、韓国の朴槿恵(パククネ)大統領が訪中。習近平・国家主席との首脳会談では「政治・安全保障分野で意思疎通を強化する」ことで一致し、「軍需支援協定」の締結交渉が水面下で進んでいることも報じられた。
会見で両首脳は「最近、歴史などの問題で東アジア域内の国家間の対立と不信が深まっている」と、名指しはしないものの日本をあからさまに批判。あたかも「反日同盟」が結ばれたかのような印象を受ける。
本当に両国は「反日」の旗の下に緊密な関係を結べるのか──。おそらくその心配は杞憂に終わる。なぜなら、中国と韓国の間には日本人には想像しがたいほどの深い溝が横たわっているからだ。
「死亡したのが中国人で幸いでした」──そう堂々と発言したのは韓国テレビ局のキャスターだ。7月7日、韓国のアシアナ航空機が着陸に失敗した事故で、中国人の乗客が亡くなったことを受けての発言だった(後に謝罪)。
それに対し、中国人は猛反発。ネット掲示板には〈韓国人は世界で最も心が狭い民族だ〉〈中国の属国だったくせに〉といった書き込みが溢れた。中には、〈韓国人は日本人よりムカつく〉〈日本鬼子だって棒子(バンズ)ほどまで酷くはないな〉といった、日本と比較したものも多く見られた。ちなみに〈棒子〉とは、中国人が韓国人に対して使う蔑称である。
中国事情に明るいジャーナリストの富坂聰氏がいう。
「中国人は日本人への悪口として『鬼子』と呼びます。『鬼』には“強い”“怖い”というニュアンスが含まれ、日本人は恐れる対象であることがわかります。一方、韓国人に対する『棒子』は“トウモロコシ野郎”というような意味で、長い間中国の属国だった韓国人を見下していう言葉です」
対して韓国人は中国人をバカにして「掌櫃(ジャング)」「テノム」と呼ぶ。
「『掌櫃』は清朝時代に中国の商店主をそう呼んだことに由来し、お金が大好きな中国人をバカにした呼び方。『テノム』の由来はわかりませんが、“汚い”“垢だらけ”といった意味があります」(上海在住のフリーライター・西谷格氏)
※週刊ポスト2013年8月2日号