10年前から高級風俗店のプロデュースに携わっているという、都内マーケティング会社社員が語った。
「ソープにしても無店舗型のデリヘルにしても数年前から低価格店と最高級店の二極化が進んでいます。特に最近はアベノミクス効果でしょうか、最高級店が売り上げを伸ばしていますね。お客さんは中高年の方が多く、60歳以上も珍しくない」
ちなみに最高級風俗とは、業界では一回の利用にあたってソープだと10万円、デリヘルだと5万円以上と定義されているという。近年、デリヘルにおいて高級店のオープンが続いている。中には1日まるまる女の子と遊んで120万円のデリヘルもあるという。
記者は高級デリヘル『麹町プルミエール』を予約した。ここは90分6万円が基本コース。会員制の同店では「新規顧客への面接」が義務づけられる。
ホテルで待機していると女性より先に担当スタッフがやってくる。「女性が嫌がる行為はしない」「本番行為は禁止」などの注意事項を説明され、名前、年齢、職業などを書き込んで会員証が発行された。高級店の場合、お客の面接は珍しくなく、「お客様に紳士的ルールを周知することで、女性も安心してサービス奉仕できるし、質のいい女性が集まる」(業界関係者)という。
面接後、10分すると黒いワンピースを着た170センチの長身美人のS子さんがやってきた。黒髪の米倉涼子似である。元CAで、現在はフラワーアレンジメントの学校に通う28歳だという。
特筆すべきは言葉遣いや立ち居振る舞いに気品が感じられたことである。
「店の面接では年齢や学歴、あとは両親のことまで聞かれるんですよ」(S子さん)
人となりをしっかりと判断された上で合格すると、次に待っているのがママと呼ばれる教育係のレクチャーだ。教育といってもベッド上のテクニックにあらず。
「ママには、言葉遣いや立ち居振る舞いを教わります。例えば時間をお忘れになってプレーを終えようとしないお客様もいらっしゃる。そんなときは『もう時間ですよ』と言わずに『そろそろシャワーを浴びましょうか』などと嫌みにならないようにベッドから立ち上がってもらうことを促したりします」
実に細やかなところまで「教育」されるのである。
続いて都内に拠点を構える都内最上級のデリヘル関係者に話を聞いた。なお同店では料金は2時間20万円から始まり、時には100万円を超すこともある。
「風俗サービスに関しては他店と差別化する技術というのは正直ありません。やはり女性が命。女性の採用条件として六本木もしくは銀座の一流クラブの経験がない限りは採用しません。うちは4次面接までありますよ。やはり接客の質が大切だからです。
2時間という時間をいかに気分よく過ごして頂くか、これに尽きます。うちの店では在籍女性のほか、ご要望があればタレント、モデルのプロダクションにもお声がけして女性をご用意しています。2~3か月の時間を頂くこともあり、料金が100万円を超す際は、タレント事務所などへの仲介手数料がかかる場合です」
たかが風俗と侮るなかれ、最高級の女性とサービスはここまで進化しているのだ。
※週刊ポスト2013年8月2日号