「健康」情報が氾濫している。「××さえ食べれば健康」「××だけで痩せられる」といった話を聞けば試し、「いまいち効果がないような……」と首をひねった経験は誰にでもあるのではないか。巷に溢れる健康法の「ウソ・ホント」を検証する。
(1)「緑茶でがん予防」の真偽
「胃がんの発生率が低い地域では緑茶を多く飲む生活習慣がある」といった調査や、緑茶やカテキンにがん抑制効果があるとするネズミでの実験はある。しかし、たくさん飲めばいいという話でもない。
「ネズミで示された効果を得るには、相当な量の緑茶を飲む必要がある。一方で、飲み過ぎると萎縮性胃炎などを引き起こすリスクが指摘されています」(食生活ジャーナリストの会代表幹事・佐藤達夫氏)
また緑茶の摂取量と胃がん発生率に「相関関係は確認できない」とする調査もあり、「はっきりとは言えない」というのが現状のようだ。
(2)「タマネギで血液サラサラ」は脳梗塞予防になるか
血液中の血小板には凝固作用があり、タマネギに含まれる硫化アリルにはそれを抑える作用があるとされる。“サラサラ効果”と言われる理由だ。ただし脳梗塞や動脈硬化の原因は血小板だけではない。当然、血圧や血糖値、コレステロール値なども関係してくる。「タマネギで脳梗塞予防」という考えは単純すぎる。
(3)「海藻を食べればハゲない」はホントか?
海藻に含まれるヨードは甲状腺ホルモンのもとになり、体の発育や新陳代謝を促す。そのため「髪の育成にもいい」と言われるが、実はこれを示す科学的データはない。「頭皮の毛細血管を通じて酸素や栄養素が行き渡るかが薄毛を防ぐポイント」(佐藤氏)だという。ただし海藻はミネラルを豊富に含む優れた食材で適量を食べるのは好ましい。
※SAPIO2013年8月号