シーズン半ばを経過した時点(7月14日終了時)での日本ハム・大谷翔平の成績から見えてくるのは、投打にわたる非凡な実力だ。
『プロ野球なんでもランキング』の著書がある広尾晃氏は、大谷の才能についてこう指摘する。
「野手として30試合に出場して28安打、打率.318、本塁打2本、12打点。これだけでも高卒ルーキーのレベルを超えています。特に長打率は5割近くで、28本の安打中、13本が二塁打というのが彼の特徴。
単純計算で後半戦を野手としてフル出場すれば、二塁打を40本以上打つことになり、リーグでもトップクラスのスラッガーです」
打つだけではない。守備において、大谷は26試合で補殺4を記録している。
「中田が73試合で6個、陽が76試合で5個であることを考えれば、この数字がいかに優れたものか分かるはず。大谷の外野手としてのスケールを感じさせます」(広尾氏)
一方、投手としては5試合に登板。
「投球回が25イニングで三振17、四球14の“荒れ球”で、防御率は4.20とあまり良くありません。ただ、他の投手と比べて投手専門の練習が疎かになっている状況でも2勝を挙げられるのだから、素材は間違いなく一級品です」(広尾氏)
この結果を見せつけられれば、「二刀流」への期待を抱かずにはいられない。開幕当初、「絶対に無理だ」といっていた球界重鎮たちが静かになってきたのも、頷けるというものだ。
※週刊ポスト2013年8月2日号