かつて母子家庭というだけで憐れみやさげすみの目で見られた時代があった。現在、こうした偏見はかなり解消されたといっていいが、今度は逆に自らシングルマザーになりたがる女性が増えているという。その実例を紹介しよう。
「32歳の時に付き合い始めた同い年の彼と、交際3か月で同棲を始めました。もう30も過ぎているし、これで最後の恋にしたいなと思って結婚を意識していましたが、一緒に暮らし始めて1か月もすると彼の生活態度に嫌気が差してきました。
料理を作ってあげても『ありがとう』のひと言も言わない、テレビのチャンネルを断わりもなく勝手に変える、夜中に酔っ払って帰って来てお風呂にも入らずにリビングのソファで寝てしまう……。
結局、私が我慢しきれずに半年ももたずにケンカ別れしました。結婚すれば、夫という“大きな子供”の世話をしなきゃいけないのかと悟ってから、結婚願望は消え失せました。結婚せずに子供だけできれば本望です」
こう話すAさん(34)には現在新しい彼氏がいるが、結婚するつもりはなく、避妊も一切していないという。独身女性のBさん(38)も同棲に失望した一人だ。
「10年前に惚れた男と同棲し、30歳も目前だったので、結婚するつもりで仕事も辞めました。でも、価値観の相違で結局1年で別れましたが、再就職先が見つかるまでは生活が苦しくて本当に大変でした。男に振り回される人生はもう二度とごめんです」
Bさんは現在、6歳年下の男性と肉体関係にある。
「居酒屋で見つけた独身のイケメンです(笑い)。とにかくかわいい子が欲しいので、“結婚は求めないから、タネだけちょうだい”って頼んでいます。今の会社は給料もいいし、福利厚生もしっかりしているので、一人で子供を育てるのに大きな支障はありません。結婚? 私にとってはメリットないですね」(Bさん)
※週刊ポスト2013年8月2日号