7月21日に投開票が行われた参議院選挙。民放各局の開票特番の中で、高視聴率をマークしたのは『TXN選挙SP 池上彰の参院選ライブ』(テレビ東京系)。平均視聴率は10.2%(20時から)、10.3%(21時から)だった。
同番組の中で、政治家たちを相手に鋭い質問をぶつけていた池上彰氏。しかし、なかにはインタビューに応じなかった政治家もいたという。もし、彼らが出演していれば、どんな質問がぶつけられていたのか? 池上氏本人が語る。
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インタビューに応じていただけないかたもいたのは残念でした。自民党の丸川珠代さんは、直前までお話を伺う約束になっていたのに、急に事務所を飛び出して、姿を消してしまいました。
彼女は、前回2007年の参院選の際に、期日前投票をしようとして、選挙人名簿に登録されていないことが明らかになったことがあります。これは、テレビ局勤務時代の海外赴任から帰国後、何度もあった選挙で投票していなかったということです。その後、投票へは行っているのか、政治家になったことで、政治に対する姿勢は変わったのかを、ぜひ確かめてみたかった。
日本維新の会の橋下徹共同代表、石原慎太郎共同代表にも、話を聞けませんでした。橋下さんは個別のインタビューには応じない、そして、石原さんからは、体調によってとは言われていたのですが…。ぜひ、二人の共同代表の温度差、“東西冷戦”の真相について、聞きたかったですね。
あとおひとり、番組が終わり、明け方になってようやく当選確実となったワタミ創業者の渡邉美樹さん。ワタミグループで過労を苦にした自殺者が出たことについて、私たちの番組のインタビューに「それでブラック企業と言われたら、日本には千や万のブラック企業がある」と開き直っていました。
反省はないのか、亡くなったかたやご遺族への弔意はないのか、そして2年前は民主党の推薦を受けて都知事選に出て、今回は自民党から国政に挑戦したことについて、「政党も違えば、選挙も違う。いったい何がやりたいの?」と素朴な疑問をぶつけ、答えを聞いてみたかったですね。
今回、自民党は圧勝しました。予想どおりの結果に、しらけた人もいるかもしれません。しかし、その自民党の中心部、そしてその周辺にいる政治家たちが、何を口にしたのか。ひとつひとつの言動に注目し、言葉に秘められた真意を読み解けば、政治はとても興味深く人間臭いものであることがわかります。ぜひ、関心を持ち続けて、次の選挙に備えてください。国政を支え、変えられるのは私たちひとりひとりの有権者なのですから。
※女性セブン2013年8月8日号