日本の歴史教科書にクレームを続ける韓国。だが彼らの使う教科書こそ嘘に塗り固められている。その実態を明星大学戦後教育史研究センターの勝岡寛次氏が解説する。
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韓国の朴槿惠(パククネ)大統領は、「北東アジアの平和のためには日本が正しい歴史認識を持たねばならない」とオバマ大統領に語ったが、この“正しい歴史認識”を体現しているのが、韓国の国定歴史教科書だ。
竹島については、韓国では「独島(竹島)はわが領土」という歌を幼稚園から歌わせており、歴史教科書だけでなく、国語や道徳の教科書でも小学生から教えている。もはや韓国の教科書では、独島は一切の批判を許さない“聖域”と化している。
中学の歴史教科書では、〈独島は鬱陵島に付属する島で、早くからわが国の領土として連綿として伝えられてきた〉と書かれているが、これは大嘘だ。朝鮮の文献に初めて「独島」の地名が現われたのは1906年(明治39年)で、それまで朝鮮の人々は同島の存在すら知らなかったのである。
さらに、〈政府はここにわが国の人々の移住を奨励し、官庁を設置して独島まで管轄するようにした。しかし日本は露日戦争中に独島を強制的に彼らの領土に編入してしまった〉と言うのだが、朝鮮政府が竹島を管轄した事実はない。朝鮮の古地図にも書かれていない島をどうやって管轄したというのだろうか。
韓国お得意の“ウリジナル”(ウリ=韓国語で「我々」の意)歴史も登場する。〈高句麗もたくさんの文化を日本に伝えてあげた。高句麗の僧侶彗慈は聖徳太子の師であり、曇徴は紙、墨、硯を作る技術を教えてあげ、法隆寺金堂壁画も彼の作品として知られている〉
確たる歴史資料がないため作者不明とされているのをいいことに金堂壁画が朝鮮人の作だとする手前勝手な主張には開いた口が塞がらない。
慰安婦の扱いも年々大きくなる一方だ。慰安婦問題の章では、わざわざ「日本軍によって強制的に戦場に連行され、性的奴隷生活を強要された女性たち」と注釈を付けた上で、〈女性までもが挺身隊という名目で引き立てられ、日本軍の慰安婦として犠牲になったりした〉と書く。日本の女学生らが勤労動員された「女子挺身隊」と、公娼だった「慰安婦」の区別すらできないようだ。
近年は教科書だけでなく、マンガなども歴史教材として積極活用されている。小学校教師、クォン・テソン氏原作の『生まれ変わって花に』は、少女の慰安婦が主人公。慰安所での日本兵の蛮行を描いたマンガだ。
〈彼ら(日本兵)にとって私たちは「人間」ではありませんでした〉〈ご飯も食べられず休むこともできず、多い時は1日に70人……〉。
同書は国立中央図書館や小学校の図書室にも置かれ、歴史教育の副読本として用いられている。捏造された歴史が、こうして子供たちに刷り込まれていくのだ。
慰安婦問題を否定し、元慰安婦の前で土下座を強いられたソウル大学の李栄薫教授は、著書『大韓民国の物語』でこう本音を漏らしている。
「慰安婦研究と市民運動は、『朝鮮の純潔なる乙女の性を日本がほしいままに蹂躙した』という類の大衆的な認識をバックにしており、いまや一個人としてこれに逆らう勇気を出すのが難しい」
つまり、教科書に真実を書けないのである。数年前に行なわれた日韓歴史共同研究も、日中歴史共同研究も、さしたる成果はあげていない。中国も韓国も“最初に結論ありき”で、日本の主張には全く聞く耳を持たないからだ。この二国には何を言ってもダメ、日本は米国や台湾との歴史共同研究に踏み切るべきである。
※SAPIO2013年8月号