「ねじれ解消」を掲げ参院選に大勝を収めた自公政権だが、その足下では新たな「ねじれ現象」が生じている。多くの自民党議員の当落を左右しかねないねじれ現象は「憲法改正」でも生じている。
連立相手の公明党が憲法改正に慎重であることに配慮して、安倍首相は参院選まで「憲法改正」を争点としなかったが、投開票日には各メディアのインタビューで「憲法改正は自民党の公約」と答え、翌22日の会見でも「腰を落ち着け、じっくりと進める」と語った。
これに公明党サイドは不快感を示している。
「選挙が終わった直後に“解禁”するというのは露骨。しばらく選挙がないから、公明党・創価学会に配慮する必要がないというのは失礼だ」(公明党地方議員)
自民党サイドからも、公明党への反発の声が上がる。中でも反感を買ったのが、山口那津男・公明党代表がテレビ東京の選挙特番で池上彰氏が「公明党は、踏みつけられても自民党に付いていく“下駄の雪”ともいわれますが?」と訊ねた時に、「公明党は下駄の鼻緒。鼻緒が切れれば歩く機能を失う」と答えたやり取りだった。
「あれには腹が立った。参院選で公明党は“自民党にブレーキ”と繰り返したが、安倍カラーのアクセルを踏む時にブレーキなどとんでもない」(安倍側近議員)
だが、自民党には強く出られない理由もある。自民党代議士は総選挙で公明党と選挙協力を結ぶが、「過去の選挙では、各選挙区で平均2万~3万といわれる学会票がなければ当選できない議員が100人単位でいた」(選挙分析に定評のある政治ジャーナリスト・野上忠興氏)という事情がある。
※週刊ポスト2013年8月9日号