「やられたらやり返す。倍返しだ!」−−組織の歯車として押しつぶされることを拒否する、そんな銀行員の闘いを活写して、視聴率20%超の人気を誇るドラマ『半沢直樹』(TBS系、日曜21時~)。原作は『下町ロケット』(小学館刊)で直木賞を受賞した池井戸潤氏の『オレたちバブル入行組』と『オレたち花のバブル組』(いずれも文春文庫)。
堺雅人(39才)演じる銀行員・半沢直樹は、支店長に「おれが責任を持つから」と言われ、渋々、西大阪スチールに5億円の融資を実行する。しかし、西大阪スチールは倒産し、銀行は5億円の損失を被ることに。ところが、融資をごり押ししたはずの支店長はしらを切り、半沢は窮地に立たされてしまう。
そんな絶体絶命の半沢を明るく支えるのが、上戸彩(27才)扮する妻・花だ。
5億円の融資を巡って、行内の「聞き取り調査」が行われる。同期は「とにかく謝ったほうがいい」とアドバイスをしたが、半沢はそれを無視して、自分の正当性をまくし立て、支店長らとの対立は決定的なものとなる。その晩、帰宅した半沢を、花は皮から手作りした餃子で明るく迎え、何も尋ねない。
半沢:「花ちゃん、気にならないのか? 聞き取り調査がどうだったか」
花:「どーせ、またやっちまったんでしょ。顔見ればわかる」
と、あっさり。そして言う。
「ぜってえ負けんじゃねぇぞ。直樹の道連れで、これ以上遠くに行くのは嫌だからね」
そんな妻の後ろ姿を見て、半沢はうれしそうに笑う…。
44才の会社員Aさんが言う。
「このシーン、最高でした。口では嫌と言いながらも、実はどこまでもついていくという覚悟を見せてくれている妻の姿に涙が出そうでしたね。子供を優先して、私を単身赴任に向かわせた自分の妻と思わず比べちゃいました」
また、こんな意見も。
「この前も職場で嫌なことがあった日に帰った途端、妻から“今日、保険の人が来てね、今の保険じゃダメですよって。どうしたらいい?”と、いきなりダーッと言われて。ヘトヘトに疲れてるのに、どうでもいいよって。自分の抱えている悩みごとを話す気がなくなった。その点、花は半沢の気持ちをちゃんと察して、余計なことは言わない。上戸彩みたいな奥さんがいたら“癒し”ですよ」(52才・男性)
※女性セブン2013年8月8日号