大家族系ドキュメンタリー番組『痛快!ビッグダディ』(テレビ朝日系)でたびたび登場した“林下家の食卓”を完全解説したレシピ本『ビッグダディ 痛快レシピ29』(小学館刊)が発売された。そこで今回、ビッグダディ・林下清志さん(48才)にオリジナル料理について聞いた。
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俺がオリジナル料理をよく作るようになったのは、2001年に元妻の佳美が出て行って、4男4女を男手ひとつで養うようになってからのこと。当時、知人の保証人になって、4000万円近い借金を抱えていました。電気も止まるような極貧生活だったけど、なんとか工夫して、おいしいものを子供たちに食べさせたくて…。
あの頃はハンバーグを作ってあげたくても、肉なんか高くて買えなかった。そこで、じゃがいもをマッシュポテトにして、ハンバーグに見えるように焼いたら、 子供たちが喜んで食べてくれたんです。
その時、あぁ料理って工夫次第なんだなって心から実感しました。カレーだって、肉がなくても玉ねぎがなくても、いくらでも作れる。ある材料でやればいいんです。料理って、その工夫を考える作業じゃないですか。
うちの場合、食費をいかに安く抑えるかが勝負なので、買い物に持っていくのは必ず1000円だけ。じゃがいもの半額セールとか、ごぼうの50円セールと か、その日安く売っている食材を見つけて、そこから、これで何が作れるかを考えるんです。料理のセオリーから外れていても、この食材はこう使ったらおいし いんじゃないか、と自由に考えています。なまじ知識がないことが幸いしているのかもしれませんね(笑い)。
※女性セブン2013年8月8日号