参院選特番は、ジャーナリストの池上彰氏(62才)がメーンキャスターを務める『TXN選挙SP 池上彰参院選ライブ』(テレビ東京系)が民放トップの視聴率をたたき出した。鋭い質問で政治家の本音を引き出し、大好評を得た。そんな池上さんに番組を振り返ってもらうとともに、日米関係について聞いた。
「私は21日の投票日当日の選挙特番で20人を超える政治家にインタビューをしました。質問するのは、当たり前すぎたり、素朴すぎたりして、あまりほかの人が聞かないことです。なぜなら、こういう基本的な質問にどう答えるかで、その人の政治家としての資質、政治への姿勢、私たちには見えないところで起こっていることが、見えてくるからです」(池上さん・以下「」内同)
池上さんが司会を務めた『TXN選挙SP 池上彰の参院選ライブ』(テレビ東京系)の視聴率は、在京民放各局の番組で唯一10%を超えたことが話題になっている。昨年12月の衆院選の選挙特番でも民放トップの視聴率を記録。各党幹部に鋭い質問を浴びせ、インターネットでは「池上無双(無敵の意味)」なる言葉が生まれた。
「安倍総理には、『オバマ大統領に嫌われているんですか?』と尋ねました。アメリカのオバマ大統領は、中国の習近平主席とは会談をしているのに、安倍さんとは会おうとしていないからです。安倍さんは『なんといっても同盟国ですから』と、心配いらないと言いたげでしたが、これはすなわち、オバマ大統領と信頼関係が築けていないと暗に認めたようなものですよね。
安倍総理は『嫌われています』とも『わかりません』とも答えたくなかった。だから答えをはぐらかしたつもりが、つい、本音を見せてしまったというわけです。
振り返ると、かつてのロンヤス(レーガン元大統領と中曽根康弘元総理)、そしてブッシュ元大統領と小泉純一郎元総理の個人的な関係が、日米の良好な関係にもつながっていたのですが、安倍総理はどうでしょうか。
日米関係がうまくいかないと、中国や韓国と対立している日本が、東アジアで孤立しかねません。国内では圧倒的な支持を得て、安定的な立場にある安倍総理ですが、国際的には、非常に危ういといえるでしょう」
※女性セブン2013年8月8日号