15番組中7本が、初回で視聴率15%を超えるなど、絶好調の7月スタートのドラマ。そのなかで最も視聴率が高いのが『半沢直樹』だ。第1回の19.4%からぐんぐんと数字を伸ばし、7月28日放送の第3回はなんと22.9%。同時間帯に放送されたサッカー東アジア・カップの日韓戦の視聴率を大きく上回った。
主演が実力派の堺雅人(39才)という話題性以上に、銀行という非情な組織で、自らのサラリーマン人生をかけて奮闘する主人公の姿が視聴者の共感を呼んでいる。
「見ていてスカッとするし、劇画タッチの展開がハラハラドキドキ。半沢の“倍返しだ!”という決めゼリフは、つい、日々の生活で使ってしまいます。荒唐無稽と思いきや、夫に言わせると、こういう理不尽はよくあるそうで、初めて夫に同情しました(笑い)」(50代パート)
実社会ではありえない型破りさを見せる半沢だが、元銀行員の池井戸潤氏(50才)の原作がこのドラマに圧倒的なリアリティーを持たせている。
7月スタートの好調なドラマには、視聴者にリアリティーを感じさせるものが多い。『Woman』(日本テレビ系)は、夫を不慮の事故で失ったシングルマザーの小春(満島ひかり、27才)が幼い子供2人を懸命に育てていく物語。
「娘が小さかった頃のことを思い出しました。当時、私は専業主婦でしたが、夫は残業と出張で帰ってこないし、両親は地方在住。心細かった日々を重ねて、涙しています」(40代主婦)
視聴率は右肩上がりで、7月24日放送の第4回は、13.9%を記録した。好調の理由をプロデューサーの次屋尚さんが説明する。
「ドキュメンタリーのような作りが視聴者を惹きつけているんだと思います。なんといっても満島ひかりの演技に尽きる。演技とは思えないほど、自然に演じ切っています。シングルマザーが主人公ということで女性の視聴者が多いんですが、みんな泣く場面が違うんです。リアリティーがあるからこそ、いろんな場面で人の胸を打つのでしょう」
また、2011年に放送された人気ドラマの続編『DOCTORS 2 最強の名医』(テレビ朝日系)も、初回視聴率19.6%を記録。こちらもプロデューサーの三輪祐見子さんが、人気のカギはリアリティーと話す。
「医療ものなので、“死”をしっかりと描くことを念頭にドラマを作っています。幅広い年齢層のかたがたから見応えがあるという声をいただいています」
※女性セブン2013年8月15日号