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大人の男の人生は「前立腺」に左右されると石原壮一郎氏解説

 中年男性なら前立腺からも大人力を学べる!? 大人力コラムニストの石原壮一郎氏が前立腺の予防について熱く語る。

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 「前立腺」と聞くと反射的に「前立腺マッサージ」という言葉を思い浮かべてしまう、健全な中年男性のみなさん、オシッコや勃起の調子はいかがですか。いきなりで恐縮ですが、中年以降の大人の男の人生がどう転ぶかは、前立腺に左右されると言っても過言ではありません。いつもはニュースからさまざまな大人力を学んでいますが、今回は趣向を変えて、男性の股間の奥に鎮座している前立腺に着目してみましょう。

 前立腺は、排尿や勃起を陰で支えている存在。これからもまだまだ死ぬほどセックスしたり死ぬまでセックスしたりするためには、前立腺に頑張ってもらう必要があります。しかし、50歳以上の男性の2割は前立腺肥大症になり、前立腺がんも男性のがんの中で10年後には1位になるという予測も。たとえ病気にならなかったとしても、前立腺が年齢とともに老いていって、尿のキレが悪くなったり勃起力が弱まったりするのは男の宿命です。

 自分の前立腺としっかり対峙するのは、自分の会社や仕事としっかり対峙することと似ています。生きていく上で大切なことを支えてくれているけど、日頃はありがたさを忘れがち。今後、下降線をたどっていく覚悟もしておかなければなりません。たとえ会社自体は上り調子でも、中年の自分が活躍できる場は確実に減っていきます。

 それがわかっていて、せめてできることは何か。大きなトラブルの兆候を早めに察知して対策を講じたり、変化を受け入れて自分をそれに合わせたりするのが、大人としての真摯で前向きな生き方に他なりません。ただ単に困った事態を恐れていてもストレスが貯まるだけだし、衰えを嘆いているばかりでは、ますますしょぼくれていく一方です。

 大人の男の意地と気概で、自分の仕事にも前立腺にもしっかり対峙しましょう。会社や仕事においては自分なりの役割が必ずあるはずだし、前立腺においては、たとえば血液を採取するだけの「PSA(腫瘍マーカー)検査」を受ければ、前立腺がんのリスクを早い段階から察知できます。お尻にお医者さんが指を突っ込む直腸診を経験したことがある方も多いでしょうが、じつはあれでは前立腺がんはほとんど発見できません。

 なぜ、私がいきなり前立腺のことを語り出して、しかもそこそこ詳しそうな気配を漂わせているのか。じつは今年に入ってから何度か、前立腺治療の世界的権威である東京慈恵会医科大学泌尿器科の穎川晋先生に、前立腺についての疑問をどんどんぶつける機会がありました。朝立ちや前立腺マッサージの謎についても率直に伺いましたが、穎川先生はどんなマヌケな質問にも嫌な顔ひとつせず、わかりやすく丁寧に答えてくださいました。

 そして、ふとパソコンの横を見ると、おっと一冊の本が! タイトルは『ああ、愛しの前立腺~「男の不安」から最先端がん治療まで~』(穎川晋、石原壮一郎共著)。版元は、おや、このサイトを運営している小学館ではありませんか。なんて奇遇なんでしょう。

 いろんな状況を勘案しつつ、大人として許されるスレスレのラインを狙ってみました。それもこれも、多くの方に前立腺に関心を持っていただくためということで、ニヤリと笑って大らかにお許しいただけたら幸いです。そんなふうに、大人の寛大さを発揮する気持ちよさも味わわせてくれるなんて、やっぱり前立腺は偉大ですね。

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