「健康」情報が氾濫している。「××さえ食べれば健康」「××だけで痩せられる」といった話を聞けば試し、「いまいち効果がないような……」と首をひねった経験は誰にでもあるのではないか。巷に溢れる健康法の「ウソ・ホント」を検証する。
(1)「カルシウムでイライラ解消」は人それぞれ
血中のカルシウム濃度を低くしたネズミは攻撃性が高くなるという実験結果が知られ、短気な人に「カルシウム足りないんじゃないの?」というジョークがよく聞かれるが、食生活ジャーナリストの会代表幹事・佐藤達夫氏はこう説明する。
「人間には体内環境を常に一定に保とうとする機能(ホメオスタシス)が備わっている。血中のカルシウム濃度が低ければ、骨から補給するなどして血液1デシリットルあたり8.5~10mg程度の範囲内に調整される。実験はネズミの調整機能を潰して行なわれたもの。つまりほとんどの人は血中カルシウム不足にならない」
どうやら俗説は嘘のようだが、カルシウム不足が体に良くないことは言うまでもない。
(2)「一日一食健康法」
(3)「炭水化物抜きダイエット」
(4)「断食」って体に悪くないの?
「一日一食」「炭水化物抜き」「断食」などの健康法が話題。当たり前だが、「バランスよく一日3食が健康の大原則」(医師・医療ジャーナリストの森田豊氏)。食事制限は食生活のバランスが崩れた時に、それを正すためにやるものと考えるべきだという。
「人体は血糖値が高くなったり低くなったりしながら健康を保つ。間食で高血糖の時間ばかり続くと血管を傷めるし、低血糖が続くと脳にエネルギーがまわらない。一日一食は食生活が乱れた人に“血糖値を下げる時間を作ろう”と提唱された方法。それを理解しないで取り組むのは危険です。断食も炭水化物抜きも、病的に太った人が医師の指導の下に体重を減らすためにやる類のものです」(佐藤氏)
※SAPIO2013年8月号