ビジネス

【日本株週間見通し】トヨタ上方修正受け堅調な相場展開期待

 投資情報会社・フィスコ(担当・村瀬智一氏)が、株式市場の7月29日~8月2日の動きを振り返りつつ、8月5日~8月9日の相場見通しを解説する。

 * * *
 先週の日経平均は上昇。週間ベースでは2週ぶりの上昇となった。前週から続く参院選後の安倍トレードのポジション調整とみられる売りが先行し、7月30日には13613.78円までの調整をみせた。本格化する決算発表を前に積極的な売買は限られており、薄商いのなかを、先物主導でじりじりと下げ幅を広げる展開だった。米連邦公開市場委員会(FOMC)など米国の重要なイベントを控えていることも手掛けづらくさせていた。

 注目されたFOMCでは、現行の金融政策を据え置くと発表。同時に発表した声明が景気認識を小幅に下方修正したと受け止められ、金融緩和の縮小観測が後退。一先ずFOMC通過で落ち着いた動きをみせるなか、中国の7月製造業PMIが予想を上回ったほか、円相場が円安に振れたこともあり、日経平均は切り返しをみせた。先物主導によるプログラム買いが断続的に入っていたほか、海外ヘッジファンドの買いも観測されるなか日経平均は上げ幅を広げ、前週からの大幅な下げに対するリバウンドが強まった。

 今週は堅調な相場展開に期待したい。トヨタ<7203>の決算を受けた、市場センチメントの好転が意識される。2日大引け後に発表した第1四半期(4-6月)決算は営業利益が6633億円とコンセンサスを上回ったほか、併せて通期計画を上方修正している。サプライズではないにせよ、市場はポジティブに評価するとみておきたい。

 トヨタについてはリーマンショックの局面では、2009年3月期の大幅な営業赤字への下方修正をキッカケに、株式市場のボトム形成につながったことがあった。今回はアベノミクスを背景に好業績が確認されたことで、改めて今後の政府の成長戦略に対する期待感が来週以降の相場を押し上げてくる可能性が出てくるだろう。

 長期安定政権のなかで改めて成長戦略の実現性の期待が高まることにより、政策テーマを見直す動きなども出てくる可能性がある。電力各社の値上げや、今週以降、7月前半のような猛暑が予想されるなか、再生エネルギー関連なども注目されやすいだろう。

 週末の大幅な上昇に対しての反動が意識される可能性はあるが、日経平均は今回の調整で一目均衡表の雲下限を試し、週末にかけての切り返しで雲上限を上放れる形状をみせている。今後は14200円処を支持線として、リバウンドのトレンドが期待されてくる。お盆休み等から次第に参加者は限られてくると考えられるが、決算見直しのほか、政策テーマを物色対象とした売買は活発だろう。

関連キーワード

トピックス

折田氏(本人のinstagramより)と斎藤知事(時事通信)
《折田楓社長のPR会社》「コンペで5年連続優勝」の広島市は「絶対に出来レースではありません」と回答 斎藤知事の仕事だけ「ボランティア」に高まる違和感
NEWSポストセブン
加古川
【獄中肉声・独占入手】加古川女児殺害事件で再逮捕の勝田州彦容疑者「ケータイをいじりながら、一般人のフリをして歩いて」「犯行後には着替えを用意」と明かしていた“手口”
NEWSポストセブン
紅白の
《スケジュールは空けてある》目玉候補に次々と断られる紅白歌合戦、隠し玉に近藤真彦が急浮上 中森明菜と“禁断”の共演はあるのか
女性セブン
騒動の中心になったイギリス人女性(SNSより)
《次は高校の卒業旅行に突撃》「1年間で600人と寝た」オーストラリア人女性(26)が“強制送還”された後にぶちあげた新計画に騒然
NEWSポストセブン
中井貴一
中井貴一、好調『ザ・トラベルナース』の相棒・岡田将生の結婚に手を叩いて大喜び、プライベートでゴルフに行くほどの仲の良さ 撮影時には適度な緊張感も
女性セブン
折田楓氏(本人のinstagramより)
《バーキン、ヴィトンのバッグで話題》PR会社社長・折田楓氏(32)の「愛用のセットアップが品切れ」にメーカーが答えた「意外な回答」
NEWSポストセブン
小沢一郎・衆院議員の目には石破政権がどう映っているのか(本誌撮影)
【小沢一郎氏インタビュー】自民党幹部に伝えた石破政権の宿命「連立をきちんと組まない不安定な政権では有権者に迷惑、短命に終わる」
週刊ポスト
東北楽天イーグルスを退団することを電撃発表し
《楽天退団・田中将大の移籍先を握る》沈黙の年上妻・里田まいの本心「数年前から東京に拠点」自身のブランドも立ち上げ
NEWSポストセブン
妻ではない女性とデートが目撃された岸部一徳
《ショートカット美女とお泊まり》岸部一徳「妻ではない女性」との関係を直撃 語っていた“達観した人生観”「年取れば男も女も皆同じ顔になる」
NEWSポストセブン
再ブレイクを目指すいしだ壱成
《いしだ壱成・独占インタビュー》ダウンタウン・松本人志の“言葉”に涙を流して決意した「役者」での再起
NEWSポストセブン
ラフな格好の窪田正孝と水川あさみ(2024年11月中旬)
【紙袋を代わりに】水川あさみと窪田正孝 「結婚5年」でも「一緒に映画鑑賞」の心地いい距離感
NEWSポストセブン
司忍組長も傘下組織組員の「オレオレ詐欺」による使用者責任で訴訟を起こされている(時事通信フォト)
【山口組分裂抗争】神戸山口組・井上邦雄組長の「ボディガード」が電撃引退していた これで初期メンバー13人→3人へ
NEWSポストセブン