「“48の壁”は厚かったですね。50才前の壁があるなんて知らずにいました」――『50歳前からのココカラ手帳』(サンクチュアリ出版)は、漫画家の著者・高橋陽子さん(51才)が、更年期を間近に控える女性が悩みがちなテーマをもとに一大メンテナンスに挑んだ体験を描いたコミックエッセイ。心療内科、ジム、そして、睡眠、薄毛、更年期障害、肌ケア、メイクという7か所の専門家を訪ね、心と体に根気よく向き合った。
きっかけは、48才で感じた“異変”だった。夫、一男一女と住む都内の一戸建てで仕事、家事、そして隣家に住む義父の介護と慌ただしい生活を送る中、集中力が極端になくなり、以前はダイエットをすれば落ちた体重がビクともしなくなった。
「自分の力じゃどうにもならなくて、ジムに通い始めようかな…と思っていたら、今度は字を間違え始めて…。順番に数字すら書けないんです。これは大事件だと思って、まず心療内科に行ってみました」(高橋さん・以下「」内同)
そして、医師から告げられたのは、病気でも更年期障害でもなく「疲れ」。その結果に著者はあ然とするが、今まで一度も疲れを意識したことも、それを取る努力をしたこともないことに気がつく。仕事に介護に家事にとすぐに動けるように、ベッドの上で寝ず、いつも“リビングの床の上でうたた寝”をし、睡眠時間は2時間刻みだった。
「休むことができない性分で、寝るの嫌! もったいない!って。あれこれするのに、床で寝るほうがテキパキ起きられて楽って思ってたんです」
食事も不規則で運動はしない。家事や介護を頑張りすぎて自分の生活を疎かにする。そんな生活習慣を改善に導いてくれたのが、ジムの男性トレーナーだった。
「トレーナーに怒られるまでは、それが異常だってことに気づかなかったんです。何でも前向きに工夫すればなんとかなるって思ってたけど、人の手を借りなくても大丈夫!…じゃないんだって初めてわかった。壁にぶつかって、無理だと気づけてよかったです」
※女性セブン2013年8月15日号