7月末に韓国・ソウルで行なわれたサッカー日韓戦で、韓国側サポーターが「歴史を忘れた民族に未来はない」とハングルで書かれた巨大な横断幕を観客席に掲げ、伊藤博文を暗殺した“反日の英雄”安重根の肖像が描かれた垂れ幕も登場した。
日本サッカー協会は抗議したが、韓国側の言い分は、「試合前に一部の日本サポーターが侵略の象徴である旭日旗を振っていたことの報復」だという。韓国のネットでも「旭日旗を振るのはナチスの旗を振るのと同じで人類への冒涜」などと日本批判が並んだ。
実はいま、韓国における反日の一大トレンドがこの「旭日旗」なのだ。
たとえばKポップアイドルグループ「VIXX」のメンバーは旭日旗がデザインされた帽子をかぶっていたことで韓国のネット住民からの攻撃に遭い、「多くの方にご心配をお掛けしたことをお詫び申し上げます」と謝罪に追い込まれた。
さらに、日本の人気漫画『ONE PIECE』は作中で旭日旗に似たデザインの旗が描かれただけで、「好きだったのに右翼作品だったとは!」と一転して「日帝軍国主義作品」のレッテルが貼られた。
しまいには、宮崎駿監督の最新作『風立ちぬ』まで、ゼロ戦の設計者が主人公で旭日旗が風になびいているだけで、「戦争を美化している」との大バッシングを浴びた。日本では「リベラル寄り」とされる宮崎監督ですらこの扱いなのだ。
いくら旭日旗がもともと日本では祝い事やスポーツ行事の際に用いられてきた旗だと主張しても、韓国側は聞く耳をもたない。
産経新聞ソウル駐在特別記者の黒田勝弘氏がいう。
「安倍政権の誕生以降、韓国の反日機運はメディアを中心に再び盛り上がっている。夏休みに入ると、日本大使館前に作られた慰安婦像を掃除するために700人もの学生が集まっています。慰安婦像を掃除すれば内申点が上がるからです。メディアも教育者も一体となって反日を煽っているのが現状です」
韓国在住の日本人は、「韓国に暮らしている者からすればいつものことですからねぇ」とため息をついた。
※週刊ポスト2013年8月16・23日号